高津柿本神社所蔵資料電子画像集
学術情報センター 電子画像 奈良地域関連資料

冷泉為村十五首和歌



外題:なし(「十五首和歌」と墨書した包紙に包む)
内題:巻頭に「柿本社/奉納十五首和歌」
数量:写本一巻  寸法:
装丁:巻子(軸なし)  表紙:なし  料紙:楮紙
 巻頭に「柿本社/奉納十五首和歌[毎哥首/置一字]/民部卿藤原為村」とあり、巻末に「明和四年七月十日真福寺良栄/来入期幸時之故即吟 清書/翌十一月彼僧哥道入門面謁之次/附之捧幣代」とある。筆跡は冷泉為村の自筆である。詠者・為村(1712―1774)は江戸時代中期を代表する 公家歌人であり、享保六(1721)年に霊元上皇から古今伝授を受けた。烏丸光栄、三条西公福らにも師事し、また関東の武家を中心に多くの門弟を 指導して冷泉門の拡大に大きく貢献した。
 この十五首和歌は、部立、歌題共にないが、春、夏、秋、冬、恋、雑の歌で構成される。歌は二行書き。各歌の頭字(最初の文字)に「いはみのくに しむふくしにおさむ(=石見国真福寺に納む)」の各文字(十五字)を置いて歌を詠じている。巻頭歌は「いはみがたはるの光も高角のやまのはしるく たつかすみかも」、巻軸歌は「むかしにもこえてかゞやくたまがきのもとの光は道の萬代」。

解説:奈良女子大学大学院博士後期課程 大石真由香

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