高津柿本神社所蔵資料電子画像集
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柿葉集



外題:かきの葉集  内題:柿本大明神歌記能葉集
数量:写本一冊  寸法:縦34.0×横22.5cm
装丁:四針袋綴  表紙:紺地金襴唐草文  料紙:鳥の子
見返し:金砂子  丁数:全六十丁 一面十行等
 桐箱入。蓋上書「柿葉集」、蓋裏書「文政六癸未歳/三月日/石見津和野/中村安由」とある。
 文政六(1823)年三月の柿本人麻呂千百年忌の際に、京都の公家をはじめ、京、江戸、薩摩、周防、石見、安芸など各地の人々から寄せられ 歌をまとめた奉納和歌集である。「美山人草廬硯之筆か記」の自跋に「時に/文政六[癸]未とし/やよひの日」とある。また、文政三年九月、 如泥斎主人(署名の右肩に金地の箋を貼り「富小路三位■■(二字欠損)」と記す)の序文には、石見国津和野の人で「俳諧歌」を吟じ遊ぶ 「硯の筆かきといふ雅男」の求めにより記したとある。編者「硯の筆かき」は、和歌の「追加」の部の末に和歌が見える藤原安由(中村源左衛門) と思われる。「富小路三位」は貞直(1761―1837)。蘭渓・如泥と号した。
 内容は、和歌一一六首、俳諧歌九七首、片歌三七句、漢詩七首、追加として和歌一六三首(うち長歌二首)、片歌一三句、俳諧三句、漢詩一首 から成る。

解説:奈良女子大学大学院博士後期課程 大石真由香

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