花供会式絵巻

金峯山寺所蔵

  花供会式は、現在4月11日〜12日に行われる花供懺法行事で、寛治六年(1092)七月、金峯山に参詣中の白河法皇の病気平癒の加持祈祷を高算という僧が行って、 効果があったことから、恩賞として許された行事と伝えられ、全国から寄せられる喜捨の初穂で搗いた餅と桜の花を蔵王権現に供えるもの。 この絵巻は二部分だけが現存し、双方ともに中央部が大きく欠損しており、その部分を金粉で装飾することによって覆い隠しているという、 不完全な形であるが、後半の餅撒きに殺到する群衆なども含め、残存部分にも見るべきものも多く、行事の古体を知る上でも貴重な作品といえるだろう。

花供会式絵巻 甲部

花供会式絵巻 甲部(部分)