海住山寺縁起

海住山寺所蔵

 海住山寺縁起絵巻(上下二巻)は海住山寺の再興の様子を記した縁起絵巻で、巻末に寛文四年(1664)の狩野永納の自筆奥書を有している点でも貴重な作品である。 永納(1631〜97)は京狩野の第三代にあたり、元禄六年(1693)には『本朝画史』5巻を刊行して、日本画の研究史に大きな足跡を残したことでも知られる。 この地域貢献事業では、すでに多武峰談山神社蔵の増賀上人行業記絵巻を 公開しているが、その絵師もこの永納であった。 この談山神社本増賀上人行業記絵巻については、同じ絵柄のものが、アイルランドのチェスタービーティライブラリーに所蔵されており、両者の比較検討なども行ってきたところである。昨年公開することを得た袋中上人行業記絵巻なども含め、この期の南都における絵巻製作・複写の実態の解明が待たれるところである。

海住山寺縁起

海住山寺縁起 巻姿