奈良女子大学
学術情報センター 電子画像集 奈良地域関連

持聖院じしょういん

 生駒郡三郷町所在。鎌倉時代に解脱上人貞慶(1155-1213)によって建てられた惣持寺の元塔頭寺院とされている。惣持寺が所有していた文化財を引き継ぐ。町指定の有形文化財を3点(木造薬師如来坐像、線刻薬師如来笠石仏、伝解脱上人貞慶五輪塔出土蔵骨器)を所有する。それぞれ惣持寺と薬師如来信仰、解脱上人との繋がりを示す貴重な資料である。惣持寺はこの地域の小字名ともなっており、江戸時代は楽人領として、明治十二年までは惣持寺村として他の三郷町の地域とは独立して存在していた。地域に残る石仏や石燈籠は惣持寺を含め、この地域の特徴を今に残す資料である。
 貞慶は平治の乱で敗北した藤原通憲(信西)の孫として、権右中弁藤原貞憲の子息として誕生した。応保二年(1162)八歳で興福寺に入寺、永万元年(1165)十一歳で得度。父貞憲の弟で後年興福寺別当にもなった覚憲に法相・倶舎・律などの指導をうけた。持戒と法相教学を通して修学求道につとめていた貞慶は、当時の仏教界や寺院生活には批判的であったようである。仏教本来の教えを求めて建久三年(1192)の春に隠棲を決意し、翌年秋に笠置寺に蟄居した。建保元年(1213)二月、五十九歳で示寂した。墓はゆかりの深い笠置寺、海住山寺にそれぞれ存在する。

和州平群郡補陀落山惣持寺縁起わしゅうへぐりぐんふだらくさんそうじじえんぎ 
 36.8cm×595.4cm     
持聖院(撮影:佐々木香輔氏)

問い合わせ先
住所〒636-0811 奈良県生駒郡三郷町勢野東6丁目7-27
交通JR王寺駅より800m
お問い合せ 0745-72-0915

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