ば人間のうちにあらずおこなひ神明にたがひたてまつれば天ばつをかふむり礼
義あやまちあれば夫これをせむ。まことにつつしみおそるべきことならずや。され
は夫のこころをとりえんとしてこびやつらひたるさまをなしてうはの空なるしたし
みをもとむるにはあらず。ただ我こころを一すじにして礼義をただしくしたち
ゐおきふしにつけても行義ただしく耳にあしき事きかず目によこしま
なる物をみす外へ出るとてわきてかたちつくることもなく内にあるとて
も身もちをすてず人をまねきあつめ人おほきことをこのまずねやの
戸のほかを見ありくことなきこれらのたぐひをこころを一すじにして
礼義をただしくすとはいひ侍るなり。たちふるまひかるがるしくてものさは
がしく見きく事ただしからずわが家にしてはかこちをすてかみをもみだし
て身持にかまはず外にいづるときはかたちつくり身をかざりていふまじき事を
そこはかとなくいひちらしみまじきこと事をもみるたぐひ是みな心一すじならずして
女の礼義ただしからざるなり。よくよくかがみ思ひてたしなむべきことなり。