身のはかなくもなりぬへきかな
とはいひけれとおのかよよにな
りにけれはうとくなりにけり

○結句なりにけるかなとある本
はわろし
○おのかよよかこみにこと夫こと妻
のさたまれるをいふ後撰恋五に
??のもとのふるねはかはるとも
?のかよよにはならすもあらなん

二十二
むかしはかなくてたえにける中
猶やわすれさりけん女のもとより
うきなから人をはえしもわす
れねはかつうらみつつなほそ恋しき
といへりけれはさればといひて男
あひ見ては心ひとつを
かはしまの水のな
かれてたえしとそ思ふ
とはいひけれと其夜
いにけりいにしへゆくさきの事ともなといひて
秋のよのち夜をひとよになずらへて
八千代し寝ばやあく時の
あらむ
かへし
秋の夜の千夜を一夜になせりとも
ことは残りて鳥やなきなん
いにしへよりもあはれにてなん通ひける

 ○新古恋五 よみ人しらす

 ○続後撰恋四 なりひら
 ○あひ見てはは一度逢見て
 はといふ意也あひは見でとめ
 る本はわろし

 ○いにけり真本にいきてねに
 けりとあり
 ○六帖結句恋はさめなん

 ○やちよしのしは助辞ねば
 やのやはうたがひのや也

 ○続古恋三 よみ人しらす