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学術情報センター 画像DB 伊勢物語

伊 勢 物 語 傍 註

版本二冊。袋綴。26.4cm×18.0cm。墨付、上巻25丁、下巻42丁
水色布目紙表紙。刊記「安永五年丙申仲冬/東都書肆 須原屋伊八梓」
刊記の前に「嗣出」として「本朝度制略考」以下六点の出版予告
 刊記の後に「青藜閣発兌目録(江戸東叡山池之端仲町)須原屋伊八版」(四丁)が載る。
 

本 文

 賀茂季鷹(1751〜1841)の著作。安永五年(1776)刊。
 季鷹は、本姓は山本、号は生山又は雲錦。早くから有栖川宮職仁親王に仕え、和歌を学び、十九歳で江戸に赴いてから、賀茂真淵の門下で『万葉集略解』の著者で、歌人・国学者である加藤千蔭等と交わる。三十八歳で帰京し上賀茂社の社務に従事し、正四位下・安房守に任ぜられる。化政期の京都を代表する堂上派の歌人であり、また狂歌もよくした。
 著書には『万葉集類句』『雲錦翁家集』等がある。

 本書は、註解は諸抄に譲り、ただ仮名では解し難い所に漢字による傍注を施し、頭注に出典ほか関連文献を掲げる程度の簡単な注釈書である。頭注には、『万葉集』『倭名類聚抄』『日本三代実録』『源氏物語』などが多く引かれる。また、本文には真名字本その他の異本で校訂した注を加えている。

(解説は文学部言語文化学科日本アジア言語文化学研究室のご協力を得ました)