軸装 本紙縦128.0cm×横53.0cm
初代韓国統監の任にあった伊藤博文が、明治42年7月13日に催された新旧統監歓送迎会における作であり、『藤公詩存』には「十三日翠雲亭雅集」と題して収載されているものである。
伊藤博文の詩がやや右に寄せて三行に大書され、これに唱和した李完用、金充植、朴泳孝の詩が細字で上下に書き添えられて一種の寄合書きとなっている。
相逢一笑共欣然 境静山中骨欲仙
不用推敲費詩思 主賓避暑碧泉辺
相逢いて一笑すれば共に欣然たり 境静かにして山中骨仙ならんと欲す
推敲して詩思を費やすを用ゐず 主賓暑を避く碧泉の辺
本書は、もと京城の一朝鮮人の家の襖に貼られていたものを、奈良女子高等師範学校の卒業生が買い取り、昭和8年当時の在校生が譲り受けて奈良女子高等師範学校に贈呈されたものである。
近代日韓史料両種抜粋