奈良女子大学学術情報センター
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増益女教文章

本 文 
 
 
解 説

 題簽剥落。3巻3冊。本文目録題名に「増益女教文章」(ぞうえきおんなきょうぶんしょ う)とある。奥付による刊記は元禄12(1699)年、書肆は京都の和泉屋茂兵衛。上巻23 丁、中巻24丁、下巻20丁。
 目次はそれぞれの巻の巻頭に付けられている。『女秘伝書』 を頭書とする二段組の典型的な体裁。近世中期まで盛んに出版され類書を持つ『女鏡秘 伝書』を頭書にするが、内容としては、御厨子・黒棚の飾り付け図、女節用尽くし、目 録・折り紙の書き様、扇・短冊に歌の書き様など具体的な生活記事が掲載されている。
 一方、本文には散らし書きの消息文例が収録されている他、文字論も展開され、「文か きやうの指南」では、訓読み中心の文章によって女ふみを構成すべきことや、文字その ものもあまり散らし書きを駆使しすぎりと「不礼のいたり」だとして極端な点引や捨て はねを戒めている。下巻では小笠原流熨斗の包型図解もある。出版形態としては新しく 、百科的知識本としての女子往来物といえる。

          立命館大学講師  長 志珠絵


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