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女 訓 三 の 道

          1826年刊

本 文

解 説

 題簽「女訓三乃道」(じょくんさんのみち)、48丁。中村弘毅による序文(文政6)・ 作 。森川保之画。書肆は、京都の吉野屋仁兵衛・吉田四郎右衛門、大坂の河内屋木兵衛、 東京の前川六左衛門による。玉成堂蔵板。刊記は文政9(1826)年。体裁は四丁目から 頭書と本文に分かれる。本文は、6行×11字で、主に手習い手本の漢字混じり草書体。 漢字にはふりがな入り。
 作者の中村弘毅は、字は士郷、梅華、新斎と号した。朱子派の儒者で天保5年に83才で 没 し、寺町四条大雲寺に埋葬された(『日本随筆大成 思斉漫録』解題)。他に、童子向 けの教訓随筆書『思斉漫録』(天保3、1832年)が著名。
 三乃道とは、女の道(娘の道)、婦の道(人の妻の道)、母の道(人の母の道)をいい 、それぞれのライフスタイルに応じた訓を諭したもの。娘時代には父母に従い、嫁いで は夫に従い、老いては子に従う、いわゆる三従を中心に、様々な注意事項が加えられて いる。「母の道」では、胎教に多くの枚数が割かれている(31-37丁)。42丁以降は「 通論」が展開され、「陰」であること、言を慎むべきこと、酒を慎むべきことなどが述 べられる。「女の道」4〜16丁、「婦の道」16〜30丁、「母の道」30〜42丁。 上段は挿絵入りの烈女伝で、主に日本の女性からなる「孝女」6人(4〜14丁)、中国 の 例も含む「貞婦」8人(15〜31丁)、文王母、孟母をはじめとする中国古典に題をとっ た「賢母」7人(31〜48丁)の読本が掲載される形式となっている。

          立命館大学講師  長 志珠絵

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