奈良女子大学学術情報センター
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女 今 川 錦 小 宝

1837刊

本 文

解 説

 題簽「女今川錦の小宝」1837、15丁、26センチ 扉題「女今川錦小宝」刊本 刊記は「文政九戊(1826)年再版/天保八酉(1837)年再刻」、書肆は「東都書林 甘泉堂 和泉屋市兵衛 板」とある。
 扉絵は蓬莱図、2丁は「和琴乃図」と「琵琶三味線乃図」でそれぞれの図解がなされている。3丁以降から二段組みの体裁で、本文では「女今川」が5行×8字又は10字。上段(頭書)では、「年中祝事の始」「女中食禮指南」「婦人給事指南」など挿絵入りの解説書が本文と全く無関係に配置されている。
 「年中祝事の始」では例えば一月は小豆がゆを食べ、四月にはころもがえをする、といったような各月の行事が中国古典である『周礼』などの故事を引きながら解説されている。「女中食禮指南」は雑煮、湯漬け、あわびめし、素麺などの食べ方が解説され、「婦人給事指南」では説明のための絵図が描かれている。
 裏表紙には、本書の購入について「元治二乙丑(=慶応1、1865)四月七日」「泉嘉勢め」と書き込みがあり、女性が購入しており、一八三七年の発行以後、長期に亘って読者を得ていたこ とがわかる。

          立命館大学講師  長 志珠絵


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