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貞 経

京都書林 嘉永四年

翻刻付き

本  文


 内題・尾題とも「貞経」.題簽は半ば剥落しているが,ここにも「貞経」とあったようである.八島五岳(詳細未詳)著.本書は,嘉永4(1851)年春に京都の吉野家甚助から印行されたものであるが,『(補訂版)国書総目録』によると初版は天保10(1839)年に刊行されているようである.

 東籬主人の序文,書肆耕価堂の題辞,「和漢二十四貞女」の図に続く本文は,「端詞」「貞静」「貞順」「?事」「子訓」「憐婦」「嫉誡」「申諭」という構成で,平易な女子向けの教訓を述べる.本書の特質は,本文の上欄に本文の語注などが頭書のかたちで収められている点で,「此書ハ世の女に貞(ただし)き道を教んとて作れリ.孝経・忠経にならひて貞経とハ号く」という表題「貞経」の語注は,本書の執筆意図および内容を端的に示している.

神戸大学国際文化学部講師 宇野田尚哉

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