緒言 一 此書著は処孝子忠臣貞女列婦の義を踏み難に処す るの偉蹟古今の伝記及び歴史野乗の中に就きその 事実尤も善行確然なるものを取り商訂校合して苟 も教への存するものを撰出し幼童婦女の修身書に 供するものなれば世の父母教師たるもの其子弟を して善良たらむことを冀ふ者はかならず先ずこの 書を授くべし 一 此書は小学勧善を主として抄出したるものなれば 時代の前後を以て逐次記録したるにもあらず又一