シークエンシング

 機械の操作は使用説明書に従う。共通機器として設置されているABI PRISM 310 Genetic Analyzerはキャピラリー(細い管)の中で標識されたDNA断片を分離するシステムで、分離されたDNA断片からの蛍光をCCDカメラで読みとり、それをコンピューターで解析し塩基配列を得る。1サンプルにつき、2.5時間で約500塩基を読みとることができる。

ABI PRISM 310 Genetic Analyzer

方法:
(1) 熱処理したサンプルを機械にセットする。
(2) バッファー、水を所定の位置にセットする。
(3) ABI PRISM 310 Collectionアイコンをダブルクリックし、プログラムを立ち上げる。
(4) FileメニューからNewを選択し、ダイアログボックスのSequence Sample Sheetをクリックする。
(5) サンプル情報を入力し、サンプルシートを保存する。
(6) FileメニューからNewを選択し、ダイアログボックスのSequence Injection listをクリックする。
(7) メニューから先ほどのサンプルシートを選択する。
(8) Moduleを選択する。
(9) Injection listのRunボタンをクリックすると泳動が始まる。

シークエンサーで読みとった塩基配列の解析
 塩基配列はそのままではATCGの羅列にすぎない。配列に潜んでいる情報を導き出すために、以下のような方法がとられる。
遺伝子解析ソフト(Genetyxなど)により、ベクター配列を除き、アミノ酸配列に変換し、タンパク質をコードしているかどうかを推測する。
塩基配列情報をWEB上の検索サイトで相同配列がないかを調べる(正確には調べてもらう)。検索するためのプログラムとしては、FASTAやBLASTがあり、検索にはDNA配列vs DNAデータベース(blasn)、翻訳アミノ酸配列vsアミノ酸データベース(blastx)などが行える。WEBサイトとしては、
 日本DNAデータバンク(DDBJ):
http://crick.genes.nig.ac.jp/homology/welcome.shtml
 解析に有用な分子生物学ツールのリンク集もある:
http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Lab/7441/
 ゲノムデータベース関連:
http://www.genome.ad.jp/Japanese/
 文献検索ためのWEBサイト:
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/では、塩基配列データやタンパク質データを入手することができる。
検索データはWEB上で閲覧することもできるが、検索に時間がかかる場合もあり、e-mailで送ってもらう方が現実的である。今回はあらかじめ取得したい配列が分かっているので検索データ中に該当するものがあるかどうかチェックする。