酵母の形質転換法(酢酸リチウム法)

 酵母にプラスミドDNAを導入する方法としては、細胞壁を取り除いて行うスフェロプラスト法と、酢酸リチウム法がある。形質転換体の出現頻度は、スフェロプラスト法の方が10〜100倍高いが、手間がかかるのと熟練を要するため、一般的に、簡単な酢酸リチウム法が用いられている。しかし、ゲノムDNAライブラリーを形質転換する場合や遺伝子破壊を行う場合には、スフェロプラスト法を推奨する。

準備:

OSBバッファー(one step buffer):作り置きはしない
0.2 ml ------ 1M LiAC
0.8 ml ------ 50% PEG 3400
25 μl ------- 4M DTT(dithiothreitol)(あらかじめチューブに入っている。)

方法:

  1. 一晩あるいはそれ以上培養した宿主菌を1 mlとり、10000 rpm、1 min遠心する。
    *寒天培地上の菌を直接かき取って懸濁しても良い。
  2. 沈殿を0.1 mlのOSBバッファーに懸濁する。
  3. DNAを2 μg(10 μl以内)加え、ボルテックスで懸濁する。
  4. 45 min、43.5℃で処理する(パン酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、45℃で処理する)。
  5. 全量を最少培地にまく。
*菌株によって異なるが、約3-7日でコロニーが現れる。