TAクローニング
PCRに用いるTaq DNAポリメラーゼは弱い末端転移酵素活性を持っており、PCR反応によって合成された産物の末端にA(アデニン)を1塩基付加することができる。PCR産物をプラスミドにクローニングする際、開環したプラスミドベクターの末端にT(チミン)を1塩基付加したものを用いると、AとTが水素結合を作ることによって、平滑末端同士のライゲーションよりもクローニング効率が上がる。ベクターは自作することも可能であるが、プロメガ社のpGEM-T easyが使いやすい。このベクターでは挿入断片を制限酵素EcoRIに切り出すことが可能である。
*PCR酵素でTaq DNAポリメラーゼに他の酵素がブレンドされているような場合には、この方法は用いることはできないため、平滑末端同士でのライゲーションとなる。
<PCR産物の精製>
<TAクローニング>
PCR産物 5μlに、7μlの2X T4DNA ligase bufferを加え、1μlのpGEM-T easyベクター、1μlのT4DNA ligaseを加えて16℃で1時間反応させて形質転換を行う。