歴史学コース(2022年4月入学者以降に適用)

歴史学コース(2022年4月入学者以降に適用)

人は歴史を生き、文化をつくる

あらゆることに「なぜ」と問いかけ、それらの成り立ちや変化の過程を明らかにすることにより、人間についてより深く考える学問、それが歴史学です。世界各地で生きてきた人びとの暮らしや文化、思想、政治や外交、人と自然とのかかわりなど、歴史学の研究の対象はさまざまです。

本コースでは、史料や文献を読み解く力、歴史の舞台となった場所、出土遺物や図像・彫刻などを調査・分析する方法を身につけるとともに、豊かな歴史学の世界のなかから自分の関心にもとづいてテーマを選び、研究を進めていきます。

古代日本文化の発祥の地であるとともに、遠くシルクロードにつながる国際的文化交流の中心でもあった奈良の地で、考古学や美術史、日本史、東洋史など多様な視点から学際的に古代文化を追究することができるのも、本コースの特色の一つです。

スタッフと研究分野

西谷地晴美【日本中世史】人新世問題や中世災害史を研究しています。

西村さとみ【日本文化史】国風文化、伝統文化とは何かを研究しています。

田中希生【日本近現代史】人間について歴史的に研究しています。

村上麻佑子【日本古代史】人間と農業、そしてお金の歴史について日本の古代社会を舞台に研究しています。

長田明日華【日本文化史】平安時代を中心に、人々の言語や歴史に対する意識を研究しています。

佐原康夫【中国古代史】中国古代社会のメカニズムを研究しています。

矢島洋一【内陸アジア史】アラビア語・ペルシア語・テュルク語等の史料を読んでいます。

木村容子【西洋中世史】中世ヨーロッパ社会を当時のメディアである説教を通して研究しています。

宮路淳子【考古学】環境と人間のかかわりを考古学から研究しています。

佐藤有希子【日本美術史】仏像彫刻を研究しています。

こんな授業があります

歴史を研究していく力を養うために、さまざまな授業が開講されています。

古文書学実習 史料学実習 古代文化学実習

歴史学は、史料と向き合うことから始まります。日本史の研究に求められるのが、古文書学の知識と実践。

読み進めるのは簡単なことではありませんが、過去の人びとの声が聞こえてくるような快感は、そうした実践を通して得られるものです。

歴史学においても、史料や参考文献などの情報検索、データの整理、論文の作成、研究内容の報告にコンピュータは欠かせません。

基礎からプレゼンテーションまで、歴史学ならではの利用を通じて、コンピュータスキルを身に付けていきます。

考古遺物や美術作品などの文化財は「資料化」することによってはじめて、他の資料と比較したり分類したりすることができるようになります。

「資料化」に必要な実測図の作り方や拓本の取り方などの技術を身に付けてもらいます。

歴史学実習・古代文化学野外実習

奈良は、歴史学を勉強するには最高の場所です。古代から現代にいたるまで、見るべきところが山のようにあります。

そんな場所へ、さらには少し足を延ばして県外へと出かけていって、自分のからだで歴史を体感する授業です。

他にも、日本史・東洋史・西洋史・考古学・日本美術史の基礎を学ぶ概論、文献読解力を磨く講読、ゼミ形式で本格的な研究の手法を学ぶ演習が開講されています。

特殊研究では、教員の最新の研究成果が披露されます。最近のテーマをご紹介します。

日本史の特殊研究テーマ
  • 古代国家形成史と現代における国家の問題
  • 平安京の時代
  • 「国風」と「古典」
  • 東アジアのなかの南都復興
  • 平安・鎌倉期の気候変動と社会
  • 中世戦国期の権力と支配原理
  • 近代日本における民主主義論の特徴と展開
  • 日本近代にみる自由と歴史
  • 歴史における身心
  • 人新世の歴史学
東洋史の特殊研究テーマ
  • 『海国図志』の世界
  • 日本と西アジア
  • モンゴル帝国期の東西交流
  • イラン民族史
  • 遊牧国家論
  • アジア文字史
  • 中東現代史
  • イスラーム思想史
  • ペルシア古典文学とその周辺
  • テュルク語文献研究
西洋史の特殊研究テーマ
  • 古代アテナイの法廷弁論からみる古代民主制の特徴
  • 古代ギリシア・ローマの神話・伝説
  • 中世スコットランド王国形成の歴史と「自由」
  • キリスト教会からみた古代から中世初期の西欧社会形成過程
  • 近世ヨーロッパ──三十年戦争を中心に
  • 法と裁判からみるヨーロッパ社会
  • ヨーロッパの都市の空間形成の歴史
  • 近世・近代(16~19世紀)フランスの歴史と文化
  • チャリティと近代イギリス史
  • 大戦とジェンダー ──両大戦間のイギリス社会におけるジェンダー
考古学の特殊研究テーマ
  • 環境考古学の方法と調査事例
  • 弥生時代の集落
  • 弥生時代の水田
  • 弥生時代における動物飼養
  • 古墳時代における動物飼養
  • 飛鳥~奈良時代の官営工房
  • 先史・古代日本におけるモノづくり
  • 東北アジアの青銅器時代
美術史の特殊研究テーマ
  • 飛鳥から奈良時代の仏教美術の魅力について
  • 酒井抱一を中心とした琳派の絵画様式
  • 日本・中国彫刻史の展開
  • 狩野派を中心とした近世絵画史

 

一人ひとりの「問い」から生まれる卒業論文

最近の卒業論文のテーマを一部ご紹介します。

日本史の卒業論文
  • 神話・説話における蛇のイメージとその変遷
  • 聖武天皇の徳について
  • 平安期における疾病認識と陰陽師
  • 日本中世における音楽の形成
  • 日本中世の戦から見る穢と恐怖
  • 『太閤記』における朝鮮出兵について
  • 近世の肉食行為とその思想
  • 歌舞伎にみる非日常の世界
  • 廃仏毀釈論
  • 東軍戦死者の行方──戊辰・己巳戦争における東西戦死慰霊の実態──
  • 百貨店と近代──「見る」ことと商業空間の変化──
  • 近代日本における災害と人間
東洋史の卒業論文
  • 中国近現代における暦と紀年の変遷
  • サファヴィー朝アッバース2世期のエスファハーンにおけるユダヤ人迫害
  • 清末・民国初期の中国における鉄道の敷設と利用
  • イギリス使節マカートニーと清朝謁見儀礼
  • 皮袋を持った男たち「トゥルムジュ」──オスマン帝国『祝祭の書』より──
  • イギリスとインド茶の19世紀
  • マムルーク朝における慈善観
  • リグ・ヴェーダにおけるミトラとアヴェスタにおけるミスラ
  • 現代イスラエルの世俗的ユダヤ人──ヒロニームのアイデンティティ──
  • 18世紀イスタンブルのチューリップ
西洋史の卒業論文
  • 紀元前6・5世紀ギリシアにおけるオルフェウス図像と他者観
  • エドワード1世治世期のブリテン諸島における戦争と城
  • 1492年のカスティーリャ王国における「ユダヤ人追放」
  • 16世紀前半のドイツにおける魔女のイメージ
  • 遺言書にみる中世後期ロンドンの女性
  • フランス国王像の変化とルイ16世の処刑
  • ヴィクトリア朝における近代ツーリズム
  • 『児童の世紀』と20世紀初頭ドイツの民衆教育
  • ヴァイツゼッカー大統領演説にみるドイツの「過去の克服」と東西再統一
  • 現代アメリカのメディアにみるジェンダー観
考古学の卒業論文
  • 縄文犬の形態特徴における多様性
  • 縄文晩期における埋葬による死の表現−三河地域の人骨「盤状集積」を例として−
  • 弥生時代の北部九州における特定集団墓の形成過程
  • 特殊器台形埴輪の文様の変遷過程
  • 文様構成からみた初期鼉龍鏡の製作者に関する再検討
  • 横穴式石室からみた古墳造営地の選択性―亀岡盆地と西摂平野―
  • 平城京出土円面硯に関する用途論の再検討-法量の時期的変化と出土傾向を中心として
  • 地域行政における安満遺跡の活用について
美術史の卒業論文
  • 東京国立博物館「松林図屏風」と京都・智積院障壁画に関する研究
  • 聖衆来迎寺蔵『六道絵』「人道不浄相」研究
  • 薬師寺金堂薬師三尊像に関する一研究
  • 『華厳宗祖師絵伝』「義湘絵」に関する一考察
  • 朝護孫子寺所蔵「信貴山縁起絵巻」に関する一研究
  • 中世日本における異界表象に関する一考
  • 唐招提寺金堂千手観音菩薩立像の再検討
  • 薬師寺所蔵吉祥天像に関する一考察

 

さまざまな分野で活躍する卒業生たち

歴史を学んだ卒業生は、大学院(奈良女子大学、北海道大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学など)に進学したり、高等学校・中学校の教員、官公庁、博物館、出版・マスコミ関係、金融関係、観光関係、システム・エンジニアなど情報関係に就職したりと、さまざまな分野で活躍しています。

 

奈良女子大学史学会

奈良女子大学史学会は、奈良女子大学の歴史に関係する教員・在学生・卒業生から構成されている学会です。毎年11月には大会を開き、他大学から講師を招いての特別講演や大学院生の研究発表をおこなっています。また、会誌『寧楽史苑』を刊行し、本学の歴史研究の成果を発信しています。※こちらをクリック→奈良女子大学史学会HP

 



 

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