今回、特別講師としてお招きするのは、平成25年に「中国文学理論の研究」により日本学士院賞を受賞された興膳宏先生です。先生は平成12年3月京都大学をご退職と同時に名誉教授となられ、その後、京都国立博物館の館長や財団法人東方学会の理事長などの要職を歴任されました。中国古典文学、中でも六朝文学や文学理論研究をご専門とし、『中国の文学理論』（筑摩書房、新版は清文堂出版）、『中国文学理論の展開』（清文堂出版）といった大部の論文集があります。また、『文心雕龍』『鍾嶸 詩品』、『弘法大師空海全集　文鏡秘府論』などの訳注書は、中文国文にかかわらず日本アジア言語文化学会会員ならば一度はお世話になったことがあるはずです。

 

　ご退職後は、岩波新書の『中国名文選』『漢語日歴』『仏教漢語50話』、『杜甫のユーモア　ずっこけ孔子』（岩波書店）など面白くてためになる本も多数執筆されています。さらにここ数年間は、吉川幸次郎博士の未完の書である『杜甫詩注』（岩波書店）を完成させるべく、日々訳注作業に没頭されています。

 

　今回はこうした杜甫研究の一端をご紹介いただく予定です。碩学の学問に触れることのできる貴重な機会です。ふるってご参加ください。