平成22年 佐保会新入会員歓迎会
      

 平成21年度佐保会新入会員歓迎会を平成22年3月24日(水)
 奈良女子大学学部卒業式終了後講堂において開催しました。

 歓迎の辞 京都支部 山田晴美氏 
    S41理学部化学科卒(国家公務員上級甲種取得)
    京都大学工学部衛生工学教室勤務、京都大学工学博士取得、
    京都大学大学院工学研究科助教授、H19 定年退官、
    現在は、京都市・滋賀県等環境影響評価審査会委員、
    日本水環境学会関西支部理事など歴任
    佐保会京都支部役員

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御卒業おめでとうございます。
私は3年前に京大を停年退職し、現在は地方自治体の環境系の委員をすると共に、水のオゾン処理に関する安全標準化の仕事をしています。
また、佐保会支部役員やサークルに参加し、今尚学ぶことの多い日々を送っております。
私は工業高校卒ですが、本学出身の姉上をもつ担任から奈良女への進学を誘われたのが本学との縁の始まりです。但し「結婚はしなさいよ」と一言。就職は、修得した化学で公害問題を解決する仕事を、と当時の黒田先生に相談して京大衛生工学科に。この採用時の教授の姉上も本学出身。奈良女出なら、雑用以外に研究もするだろうとの思惑だったようです。真面目で気が利く私でしたので学生実験の指導は勿論のこと電話番、お茶くみ等の雑用をこなし、研究も。衛生工学科は土木系で、最近は「環境」と称しています。
今でこそ環境分野で化学系の人が活躍していますが、当時は化学的に環境をみるような体系化はなされておらず、それだけに私は重宝されました。昭和61年には、「奈良女出身の女丈夫衛生工学分野で日本初の工博」として新聞等に紹介も。またD論受領の礼状の中には「義妹は奈良女出」との追伸。奈良女出身ということの繋がりに温もりを感じました。
 このように佐保会に支えられて今日の私があり、感謝を表すべく、本日参上しました。就職以来19年間も文部技官であったため、海外の研究発表は公用出張不可、研究費も他人の名前で申請と、悔しくて「辞めたい」と。しかし、「辞めざるを得ない時以外は我慢を」と諭され、「私の趣味は謎解き、仕事は謎解きこれが我が人生」と、叱咤激励してきました。博士号取得の1年前に助手に昇格しましたが、当時工学部には教官500名中、女性は私を含む2人という女性差別の時代でした。
 忘れられない出来事があります。米国の若き研究者が国際水賞に応募すべく、国内2名、国外2名の推薦状を偽造し、この1通に私の名前を使用。その人は裁判で有罪になりました。 私の座右の銘は「継続は力なり」、「足るを知る」、「感性を研ぎ澄ます」です。最初の19年間は二人の子育て期間でもあり、細々でも研究を続けた経験で次の課題を一挙に解決できて、継続が大きな力に。足るを知ることで、他人を認め育て、よい人間関係を構築。決して功を焦って偽証事件等を起こしてはなりません。「感性を研ぎ澄ます」これは研究者である私にとって一番大切で、人生の要所においても自分が何を為すべきか感性を研ぎ澄まして決断してきました。
社会は今、人類がその将来について希望を持てる時代を創るために、これから「何を為すべきか」を考えねばならない時にあります。次世代を育むリーダーとなる皆さんは、その「何を為すべきか」をお持ちでしょう。それを大切にしてください。
佐保会では年代や専門を超えて諸先輩方に接することができます。若い頃から佐保会の活動に参加していたら、私はもっと幅の広い人間へと成長していたでしょう。
皆さんには積極的に佐保会に顔を出していただけることを期待しています。
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当日の風景