佐保塾 講演会 「原子力発電をめぐって」を開催しました。

講 師:久米 健次 先生(奈良女子大学前学長)
  日 時:2011年7月9日(土)13:30より
  会 場:佐保会館 2階大ホール
  共 催:奈良女子大学 生涯学習教育研究センター
  参加者:52名

      

「原子力発電をめぐって」
---------------------------------------------------------------------
 この3月11日、東日本にM9の巨大地震が発生し、福島第一原子力発電所は地震や津波によって炉心の冷却機能が全く失われたために、多くの放射性物質が外部に放出されました。これを機に原子力発電にまつわる諸問題についてお話をして頂きました。
 まず原子力発電で使用される燃料のウラン原子核からどうしてあのような莫大なエネルギー(熱)が取り出せるのかについて、基本的に原子核内の核子(陽子や中性子)の結合力が非常に強くて化学結合の10万から100万倍もあり、ウラン235原子核では熱中性子吸収による核分裂の連鎖反応が起こるためであり、また原子力発電所の事故によって放出された放射性物質(主としてβ線とγ線を、たまにα線を放出する)が人体に及ぼす影響について、放射性物質は細胞レベルで誘起された種々の化学変化を通じて人体に影響を与える、たとえば細胞分裂の阻害とか遺伝的変異など、種々具体的に分かりやすくお話をして下さいました。 さらには日頃私達が気になっていることの一つである低線量被爆に関しても最新の知識や情報を伺い知ることができました。
最後に原子力発電所から出る使用済核燃料の処理についてのお話がありました。使用済核燃料は再処理工場でウラン・プルトニウムと高・低レベル放射性廃棄物に分離されるが、高レベル放射性廃棄物と人間との付き合いは非常に長い年月(一万年以上という人もいる)にわたるであろうという話は強く印象に残りました。日本には青森県六カ所村に使用済核燃料の再処理工場がありますが、まだ殆ど稼動していないようです。
 お忙しい中、長時間にわたり有意義なお話をして下さいました久米健次先生に深く感謝申し上げます。
----------------------------------------------------------------------

当日の風景



当日のポスター