第2回「佐保塾 万葉の旅」 2017年3月15日(水)
坂本信幸先生と行く「春の伊勢行幸の旅」を開催しました。
行 程 : 泊瀬、吉隠(よなばり)、夏見廃寺跡、阿保頓宮、関宮跡、斎宮歴史博物館
参加者 : 45名
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山あいを縫う道を、バスは行く。車窓からは、あちらこちらで咲く梅の花が、私達を楽しませてくれる。
この日は、とても寒い。穂積皇子が、愛する但馬皇女(たじまのひめみこ)の墓をはるかに眺め、「もう
そんなに雪よ降らないでおくれ、恋しいあの人が眠る猪養(いかい)の岡は寒いだろうから」と詠まれた
石碑の前で、みぞれ混じりの雨が降ってくる。皇子の深い悲しみがひしひしと伝わってくるようだ。
夏見廃寺の松林の中には、二つの歌碑が寄り添って置かれている。悲劇の皇女、大来皇女(おおくの
ひめみこ)に詠われた馬酔木の花が可憐に咲いていた。
狭く急な伊勢街道、聖武天皇の伊勢行幸の折に仮の宮居とした阿保頓宮跡。山深い里山に点在する
家々を眺めていると、万葉人の思いが伝わってくる。伊勢に近づくにつれ、青い空が見え、明るく海の
ある伊勢に憧れた持統天皇や聖武天皇の息遣いが感じられるようであった。
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