2年「情報と表現」

2006年度のテキスト(改訂版)

2005年度の取組

「情報と表現」テキストの目次から抜粋
はじめに
1.メディアが伝える情報の読み方
2.CM批評を書く
3.メールの文章を考える
4.携帯電話の情報伝達
5.プレゼンテーションの技術T
6.プレゼンテーションの技術U
7.方言辞典を作る
おわりに
はじめに
 
 
 社会の急激な情報化によって、わたしたちを取り巻く生活環境にも多様な変化がおきています。携帯電話やインターネットの普及が、人と人とのコミュニケーションのあり方さえも変容させています。遠くにいる見ず知らずの人とも簡単に交信できるようになった反面、隣に住んでいる人のことがまったくわからなくなっているという現象が起きています。モノや情報が大量に流通し、豊かさを実感できなくなっている今、物事をとらえる感受性や豊かな表現力を身につけなければ、ますます生きづらい社会になってしまいます。
 現代の高度情報化社会におけるリテラシーとは、単に書かれたテキストを読む能力だけではなく、文字や映像も含めた表現対象を読み取る力でなければなりません。さらに、自らが再構成した情報を発信していく表現力でなければなりません。よりよい情報の受け手と送り手になることが求められています。
 「情報と表現」は、このような現代社会の求めに対応すべく、2年生に設定されている科目です。「情報と表現」の授業でメディア・リテラシー(21世紀の読み書き能力)を身につけ、変化の激しい時代をしなやかにそして力強く生きられるようにしましょう。
 
2005年4月1日
国語科 吉田 隆
 
 
1.メディアが伝える情報の読み方
 
 わたしたちは、さまざまなメディアを通じて情報を受け取っています。テレビやラジオ、新聞などをマスコミ(mass communication)とか、マスメディア(mass media)と呼んでいます。わたしたちは、これらのメディアから大きな影響を受けています。これ以外にも電車の広告や街頭で配られるチラシなども情報を伝えるメディアの一つでしょう。
 メディアの中でも最も根源的なメディアは、人間の身体であると言われます。鷲田清一先生(現大阪大学教授)は、次のように身体を定義づけています。
 
「身体というのは、ぼくたちが《世界》と関係するときの媒体、つまりメディアです。そしてこのメディアをさまざまに変換することによって、たとえば言葉とか道具といったいわば二次的なメディアが誕生するわけです。その意味で身体は、文化の生成の基礎的なメディア、言いかえれば、《世界》をはじめて開き、そのような仕方でぼくたちを《世界》へと根源的に媒介しているものとして、『ルート・メディア』とでも呼ぶべきものです。」
(『ファッションという装置』河合ブックレット17)
 
 さて、わたしたちは日頃どのようにメディアと付き合っているか、考えてみましょう。
(1) テレビの見方
@ どのようなテレビの見方をしていますか。
ア 選んで見る    イ 適当にチャンネルをかえて見る 
ウ まったく見ない    エ その他
 
A どんなジャンルの番組を見ますか。
ア ニュース    イ スポーツ    ウ ドラマ 
エ バラエティ   オ 特集番組    カ その他
 
B 毎日何時間くらいテレビを見ますか。
ア 1時間以内   イ 1〜2時間   ウ 2〜3時間
エ 3〜4時間   オ 4時間以上
 
C テレビCMで印象に残っているCMをいくつか挙げてください。
 
 
D どんなテレビの見方がよいと思いますか。
 
 
E テレビを見るとき注意することは何でしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
(3) メディアが伝える情報の受け手として
 
@ 1994年6月27日に起こった松本サリン事件報道を検証する
時:1994年6月27日
場所:長野県松本市北深志1丁目 河野義行氏宅付近
状況:・6/27午後11時ころ 第1通報者 河野義行氏が119番通報する。
        「妻が苦しがっている。」名前・住所・電話番号を通報。
・6/28午前1時くらいまでに7人が死亡。52人が病院に運ばれる。
・付近では、犬や小鳥などの死体が見つかる。
・死者や被害者には、有機リン系物質による中毒症状が出ている。
・毒ガスが発生した付近は、住宅街で化学工場などはない。
・死者が2階以上に住む人に集中していることから、空気より軽いガスだったと考えられた。
・症状は有機リン系農薬中毒に似ている。しかし、住宅街で深夜に起こりえない。
・農薬工業界上原堅一安全情報部長によると、「加熱して気化させたとしても、空気より重く、高い階に被害が及ぶのは考えにくい。」
・河野さん宅では、妻の澄子さんが意識不明の重体。義行さんも入院。長女の真澄さんも入院。
・河野さんは、名古屋市内の大学理工学部を卒業後、京都市にある工業化学薬品製造販売会社に3年ほど勤務。当時は、フォークリフトなどの重機械を販売する会社に勤務。勤務態度は真面目。
 
□この状況から言えること
 
 
A 当時、新聞はこの事件をどのように報道したのか。
 
6/29(水)朝日新聞
見出し1:ナゾ急転 隣人が関係 松本ガス死 悲劇招いた除草剤作り?
見出し2:自ら通報 薬品会社に勤務歴
「松本署の捜査本部などの調べによると、現場の住宅街に住む会社員(44)が、庭の雑草を取るための除草剤を作ろうと薬品を調合していて、有毒ガスが発生したらしい。会社員は、薬品の取り扱いにも慣れていたという。住宅地での農薬作りの失敗が、7人を死亡させ、60人近くの人を病院に運ばせる、大きな事故を引き起こしたのか。」
「28日夜のテレビ速報で、会社員宅の捜索と薬物押収を知った市内の主婦は『本当にほっとした。これで、ぐっすり眠れます。』と安堵の様子だった。現場から住居までは、わずか50メートル。事件発生当時から、警察官の訪問などで一時も気が休まらなかったといい、『何がなんだかわからないので、とても不安だった。』仕事の都合で松本市内に暮らし始めて1ヶ月の小林豊さん(23)は、事件に巻き込まれ、帰らぬ人となった。原因と見られる薬物が押収されたことを、静岡県の自宅で知った父の巌さん(58)は『絶対に許すことはできない。断じて、許せない。』と繰り返した。『息子は、どこも悪いところはなかった。元の姿で帰してほしい。』と訴えた。」
 
6/29(水)読売新聞
見出し1:松本市のガス中毒 通報の会社員宅捜索 薬品数点を押収/捜査本部
見出し2:本人は入院中 除草剤調合ミスか
「長野県松本市北深志地区の住宅地で、有毒ガスによるとみられる中毒症状で7人が死亡した事件で、同県警松本署の捜査本部は28日夜、死者を出したマンションに隣接する会社員(44)宅を『容疑者不詳』の殺人容疑で家宅捜索し、薬品類数点を押収した。捜査本部では、会社員宅で除草剤をつくるため薬品を間違えて混合したため、有毒ガスが会社員宅の敷地内から発生したとの見方を強めている。このため捜査本部は、入院中の会社員の回復を待って事情を聞くことにしている。略
 捜査本部は警察庁科学警察研究所の応援を得て、薬品を混ぜ合わせた結果、発生したとみられる有毒ガスの正体の特定を急ぐ一方、犠牲者の死因や重軽症者の症状との因果関係など、慎重に捜査を進めている。また、殺人容疑で家宅捜索したことについて、捜査本部は『過失致死傷の可能性もあるが、被害者が多数にのぼることから、捜索はとりあえず殺人容疑にした』と話しており、事件は今後、過失か故意かも焦点になりそうだ。」
 
6/29(水)毎日新聞
見出し:薬品類を押収
「捜査本部は、会社員が、ほかの住民が激しい刺激臭を感じる約40分も前に異常を訴えるなど、不審な点があるため、28日朝から身辺捜査を進めていた。略。また、同県警の事情聴取に対し、会社員の長女は『27日午後11時ごろ、玄関口で父が倒れていた。駆け寄ると、『おれはもうだめかもしれない。みなもだめかもしれない。後を頼む。』などと言った。』と証言したという。また、会社員は以前から薬品に興味を持っており、自宅に多くの化学薬品を集めていたことも判明したことから、家宅捜索に踏み切った。捜索令状は『被疑者不詳』で発布された。」
 
□上記3紙の新聞報道の問題点
 
 
B 松本サリン事件の結末
 
 
C 情報の受け手に必要なこと
 
 
 
 
 
 
 
 
コーヒーブレイク
「ネットの鉄人コンテスト」にエントリーしよう!!
□ 次の@〜Iのミッションをインターネットだけを使って調べてみよう。さあ、あなたは何分で調査できるかな。
ミッション@ 奈良女子大学附属中等教育学校が創立した年を西暦で答えよ。また、全国にはいくつの中等教育学 校がありますか。平成17年4月1日現在の校数を調査せよ。
ミッションA 現在、日本にはいくつの国立大学法人(短期大学は含まない)があるか調査せよ。
以下省略
 
 
  
 
おわりに
 
 巻末に当たって、「情報と表現」の授業で学習した内容をチェックできるようにリストを作成しました。自己診断をしてみてください。
 
□ 一年間を振り返って、学習が定着しているかどうかを自己診断してください。
*A:万全  B:ほぼ万全  C:少し不安  D:不安
*○印をつけてみよう。

 

学習内容チェックリスト






メディアを5つ以上言える

 

 

 

 


「見えることの落とし穴」が理解できた

 

 

 

 


CMを分析的に見られるようになった

 

 

 

 


メールの書き方が理解できた

 

 

 

 


公共の場でのケータイ使用方法がわかった

 

 

 

 


「AIDMA」を5つとも言える

 

 

 

 


インタビューに必要な準備がわかった

 

 

 

 


データ分析の視点が理解できた

 

 

 

 


データをグラフ化する仕方がわかった

 

 

 

 

10

自分の日常言語を見直すことができた

 

 

 

 

11

 

 

 

 

 

12
 


 


 


 


 


 
*空欄11・12には、自分で学習項目を書き入れてチェックしてください。