3-2         猫が見ても視聴率


週間子どもニュース 視聴率とは なんだろう '03/11/22 放送<引用>

日本テレビのプロデューサーが、視聴率調査をしている会社の調査家庭に商品券などを贈っ て、自分の番組を見てくれるように頼んでいたことがわかりました。なんでこんなズルをしようと考えるほど、視聴率を気にしているのでしょうか。

 視聴率とは、あるテレビ番組を、どれくらいの人が見ているか、を表す数字のことです。
 これを調べているのはビデオリサーチという会社です。この会社が、一般の家 庭のテレビに特別な機械をとりつけて調べています。たとえば関東地方だと、1600万世帯(世帯とは家庭のこと)もの家があります。そこの全部に機械を取り付けるのは、お 金がかかりすぎて、とても無理です。そこで、1600万世帯から600世帯を選び、その家庭に頼んで機械をとりつけています。機械は、そのテレビが、何時から 何時までどのチャンネルをつけていたかを記録して、翌朝、自動的に電話回線を使ってビデオリサーチにデータを送ります。たとえば、ある番組を60世帯が見ていたら、600分の60で、視聴率は10%ということになります。ビ デオリサーチは、これをまとめて、各放送局に発表しているのです。

 でも、わずかこれだけの世帯を 調べるだけで、視聴率なんかわかるのでしょうか。こういうときは、スープの味見の例を考えてみましょう。スープをつくっているときに、よくかきまぜ てから一口飲むと、そのスープの味がわかりますね。全部を飲んでみなくても、味はわかります。これと同じ考え方なのです。

 でも、調べる対象が少ないです から、やはり誤差はあります。たとえば「視聴率10%」という結果が出たら、実際には、7.6%から12.4%の間のどこかであることが、100回のうち95回ある(確率95%)」ということになるのです。ですから、「視聴率9.9%」と「視聴率10.1%」は、実は差はないの です(誤差の範囲内)。

 しかし、民間放送局(民放)に とっては、視聴率によって会社の収入が変わってきます。民放は、いろんな会社の広告(コマーシャル)を放送してお金を得ているからです。広告を放送すると いうのは、放送時間のワクを売るということです。たとえば、「ヒビキ石けん」という会社が広告を出すとします。商品を売るために、できるだけ多くの人に広 告を見てもらいたいと考えます。そこで、視聴率が高い番組のワクだったら、高いお金でも払います。放送局は、「ヒビキ石けん」から得たお金で番組を作り、 放送の中に「ヒビキ石けん」のコマーシャルを流します。こうやって番組を作っているのです。

 このほかに、番組と番組の間 に、短いコマーシャルが流れることもありますね。これは「スポット広告」といいます。この広告の場合、広告を出す会社は、「視聴率150%分を1500万円で買いたい」という ように注文を出します。コマーシャルが放送された時間の視聴率の合計が150%になるまで放送する、という約束をするのです。すると、視聴率が30%の番組があれば、30かける5150になりますから、5回コマーシャルを流すだけでい いのです。でも、視聴率が10%の番組しかない放送局だったら、10かける15でないと150になりませんから、コマーシャルを15回も流さなければなりません。

 こうなると、視聴率の高い番組 をたくさん持っている放送局ほど、ひとつの会社のコマーシャルは何回も放送しないですみますから、その分、別の会社のコマーシャルを放送することができま す。それだけ、たくさんの広告収入が入るのです。視聴率が高いほど、その放送局のもうけが増える、というのは、こういうことなのです。放送局の収入が増え れば、社員の給料も上がるでしょうし、高い視聴率をとる番組を作ったプロデューサーが会社の中で高く評価される、ということにもなります。

 日本テレビの問題のプロデュー サーは、不正をしてまで自分の番組の視聴率が高く出るようにした、というわけです。

 放送番組を作る人は誰でも、多 くの人に見てもらいたいと思っています。「こどもニュース」のスタッフだって同じです。番組の視聴率も気になります。でも、だからといって、不正なことを してまで視聴率を上げようとするのは、いけないことなのです。

2003/11/22 放送(内容は放送時点でのものです)


EXCELでシミュレーション>

ある村には1000世帯あります。ある番組の視聴率を調べるのに、n=100世帯を調査したとこ ろ、1回 目の調査では、X=[       ]世帯が見ていました。ここから推定できる視聴 率は、p=[       ]%です。

この調査を100回やってみると、[       ]世帯〜[       ]世帯という結果になりました。

さて、村の本当の視聴率は、数学的に計算すると[       ]%から[       ]%の間のどこかであることが、100回のうち95回あります。

そして、本当の村の視聴率は、[       ]でした。上の範囲に入っていなかったのは、[       ]回ありました。

 

     目 標

(1)標本の平均から、母集団の平均の範囲がわかることをシミュレーションにより確認する

(2)良い標本の選び方がわかる

(3)標本平均から母集団の平均

 

     課 題

(1)二 重下線EXCELでシミュレーションし てみよう。

(2)本当の視聴率に近い値を見 つけるために、視聴率の調査のときに、よきかきまぜる方法とは何か。

(3)世の中にある「視聴率」の ようなものは、

(4)まとめ・感想

 


◆みんなの実験結果

 

氏名

n(標本数)

1回目

100

本当の視聴率%

1回目の標本(p)から推定した視聴率

推定した中に本当の視聴率があった割合

 

100

 

x

視聴率p

min視聴率

max視聴率

σ

MIN

MAX

 

最小

最大

1


50

6

12%

6%

30%

19.0%

2.3

3%

21%

 

 

3

15

2


100

12

12%

5%

18%

10.0%

3.2

6%

18%

 

 

5

18

3


100

18

18%

8%

25%

16.0%

3.8

10%

26%

 

 

8

25

4


100

17

17%

13%

26%

17.1%

3.8

10%

24%

 

 

13

26

5


100

20

20%

10%

27%

19.0%

4.0

12%

28%

 

 

10

27

6


100

20

20%

13%

29%

20.0%

4.0

12%

28%

 

 

13

29

7


100

17

17%

13%

29%

20.0%

3.8

10%

24%

 

 

13

29

8


100

28

28%

9%

31%

20.1%

4.5

19%

37%

 

 

9

31

9


100

21

21%

13%

32%

21.6%

4.1

13%

29%

 

 

13

32

10


100

23

23%

17%

37%

22.5%

4.2

15%

31%

 

 

17

37

11


100

27

27%

10%

36%

24.0%

4.4

18%

36%

 

 

10

36

12


100

30

30%

16%

34%

25.0%

4.6

21%

39%

 

 

16

34

13


100

36

36%

14%

36%

25.0%

4.8

27%

45%

 

 

14

36

14


100

35

35%

17%

38%

28.6%

4.8

26%

44%

 

 

17

38

15


100

41

41%

20%

41%

30.0%

4.9

31%

51%

 

 

20

41

16


200

52

26%

23%

38%

30.0%

6.2

20%

32%

 

 

46

76

17


400

55

14%

13%

19%

15.0%

6.9

10%

17%

 

 

51

75

18


100

20

20%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20

爪楊枝組

100

4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆課題(1)の追加(というか訂正)

(1)-1 「1回目の標本(p)から推定した視聴率」の幅 (MINMAX)の中に、「本当の視聴 率」があったのは、どれ? 「本当の視聴率」に○をつけよう。

(1)-2 上の問で、17回中[  ]回は、「本当の視聴率」の予想 が当たり、これは、[  ]%である。

(1)-3 私は[    ]回の実験をした。この中で、「?回目の標本(p)から推定した視聴率」の幅 (MINMAX)の中に、「本当の視聴 率」があったのは、[    ]回中[    ]回。「本当の視聴率」の予想が当たり、これは、[  ]%である。<この面倒な計算は、EXCELでします>

 


(1)-4 上のみんなの結果を 「推定した中に本当の視聴率があった割合」に書き込もう。

◆みんなの意見

1.      結 構興味あるテーマだから授業が楽しかった。しかも、そのテーマの裏側みたいなのがしれて面白かった。EXCELは、…途中でワケ分からんくなって困ったけど、やっぱEXCELを使った授業はわかり やすいです。自分の結果とみんなの結果を比べてみたりしたのが楽しかった。

2.      こ の授業、受験のための勉強ではなく実用性のある授業だと思う。今まで、少し不思議に思ったことや理解できなかったことが、次々と分かるようになる。予想し ていた「数学」とあまりにもかけ離れていたため、いい意味でショックを受けている。…次から視聴率を知れば、その視聴率にはどのような事実が隠されている のか、実際の中身は何なのかということを考えるだろう。

3.      今 までは、『○○の視聴率は□%でした』と言われたら、そのまま信じていたけど、実は□%にはかなりの振り幅があって、 一概には信用できないと分かった。信憑性を高くするには、どの方法でもお金がかかるので、難しい問題だと思った。いつかお金に余裕のできる時代が来たら全 世帯を調査して、欲しいと思った。…パチパチとチャンネルをずっと回していたら、TVを見たワケ じゃないけど、それも視聴率にカウントされるのだろうか?[1]

4.      ま ず、調査する対象が大事です。その調査の信頼性があるかないかが半分以上決まると言っても過言ではないでしょう。全体をいかに忠実に縮小できているモデル であるかが大事なのです。このような調査対象を選んだときの調査結果は、現実のものとかなり近くなるはずです。EXCEL難しい。教えてもらっ てやっと分かった。視聴率って今までからずっと謎やったけど、ちょっと仕組みが分かった。でもその家をどうやって選んでんねんやろう…。[2]

5.      現 実の世界で調べるときには、ある世代ばかり調べないで、さまざまな世代をまんべんなく調べているということだと思います。調べる世帯が全世帯のごく一部で も、本当の視聴率に近いものが9%以上もでることに驚きました。それはランダムに選んだといってもそう都合良く本当の数値 に近くならないと思っていたからです。…。今回はわかりにくいところが多いと思いました。シミュレーションを自分で作れなかったからだと思いまし た。[3]

6.      そ れぞれ家族構成が違うので、割合で調査する世帯を決めないと子供と大人、みる番組が違うことがわかった。テレビの視聴率なんて、数さえわかればいいとはじ め思っていたが、どうやってすうじをだしているかなんて考えたことなかったが、興味がわいた。

7.      今 まで、新聞の片隅に「視聴率ランキング」がのっていたら、こまめにチェックしていた。0.1%の差で、12位が変わってしまうのを見て、驚くことが多かった。でも、この勉強をして、少し見方が変 わった。0.1%の差で2位になったら、その番組に関わった人はくやしいと思う。そのためにも、よくかきまぜる、 ということはとても大切だと思った。

8.      EXCELのシミュレーションをして、…だいたいの人が90%後半の数値が出ていたの で、数学的に計算して出した視聴率があっていることが分かった。…。25%30%ではあまり変わらないこともあるのかと思って見ることができると思います。[4]

9.      よ くかきまぜる方法について、私は「調査する地域をかためず、出来るだけバラバラの地域を調べる」ことだと思った。近くの家ばかりかためると、口コミや家の 近くがTVにうつるから等の理由で公平な視聴率が出ない可能性もある。…。よく最高視聴率21.3%などとさわいでいる が、これもそのまま受け取っていい値ではないだろう。なぜ、ここまで正確でない値にTV関係者が一生懸命になるかというと、少しでも数字に表して、自分が作った番組の価値を他 と比べたいからだろうか。

10.  標 本の選び方によって、自分の場合、上下9%の差が出てきた。[5]この9%を今回の母集団数から算出すると、9%90世帯分にもなる。今回の調査対象が100世帯であったので、この9%がいかに大きな数であるかが分かる。今回は1000世帯だったけれど、関東 地方では1%16万世帯もの結果が左右されてしまう。だから、視聴率を調査する側は、サンプル選びには十 分に注意しなければならないし、その情報を受け取る側も、視聴率の算出方法をよく理解して、あくまでも参考程度にしか受け取ってはいけないと思う。

11.  家 族構成を考慮しながら調査する世帯を決めているということが分かりました。

12.  視 聴率には幅がある。数字で_%と出ていても、このことを考えなければいけない。TV局の人たちにとっては重要な ものだが、私たちにとっては人気のバロメータぐらいでしかない。EXCELの操作は難しかったが、情報の処理が速くわかりやすい。

13.  爪 楊枝を数えたが、思ったより骨が折れる作業だった。パソコンに比べて回数が少なかったので、あまり当てにならない結果となった。視聴率の値は、前後の幅が 広いので、一口に視聴率といっても、鵜呑みにしてはいけない。

14.  偶 然の世界の中で、確率は必ず変動し、多数の試験をしても大なり小なり幅が出来る。実験自体はとても簡単なのだが、それをEXCELに写すのは、難しいと 思う。

15.  視 聴率の仕組みが少し分かったような気がした。EXCELではなく爪楊枝で実験したけど、まぁまぁ面白かった。人間の生活には数学が密接に関わっ ているんだなぁとつくづく思った。

16.  爪 楊枝で実験したことについては、パソコンのエクセルでやるよりかは、だいぶわかりやすい気がした。(面倒だったけど)たくさんデータをとった人は、本当の 視聴率に近い数字がたくさん出ていたと思う。

17.  視 聴率は本当の視聴率の幅が広いので、少し疑わしい。実際の視聴率はその幅が狭いらしいけど、その1%に左右される世界もあって大変そうだな。

18.  本 当の視聴率を知る方法は、よくかき混ぜることだった。でも、全国の家を調査しているワケじゃないことを知って、どうしてたった一握りの調査から出た視聴率 でTVの 人たちは給料が決められるんだろうって思った。

19.  1%くらいの差では、どちらの番組の視聴率が高いか分からないことに驚きました。

20.  視 聴率は案外曖昧なものなんだなぁと思いました。…、ディレクターの人たちは、その視聴率に命をかけているので、やはりもう少し正確に分かるようになればい いなと思います。むしろ、私の家に取り付けて欲しいです。[6]

 




<引用> http://www.nhk.or.jp/kdns/_wakaran/03/1122.html


[1] 番組平均世帯視聴率というの は毎分世帯視聴率の集積です。だから、例えばこんなことが言えます。

ある60分番組の平均視聴率が10%の場合、両極端として次の2例が考えられます。

・全ての世帯のうち の1割がその番組を初めから終わりまで見て、残りの9割は1分たりとも見なかった

・全ての世帯が60分の番組のうちの6分間を見 た

いずれも計算すれば 番組平均視聴率としては同じ10%になります。もっとも実際にはこの両者の間のどこかに落ち着くのですが…。 http://homepage2.nifty.com/yama-a/viewing_rate11.htm

[2] 例えば住民基本台帳を基に世 帯に番号を打っておきます。仮にその地区に100万世帯あれば11,000,000番までの番号をつける訳です。そして、そこから例えば100世帯を調査対象(サンプ ル)に選ぶ場合は、10,000(=1,000,000÷100)より小さい数を無作為に選びます。仮にそれが6,371番であったとすればそ こから10,000番おきに6,731番、16,731番と拾って行くと、100万世帯から100世帯を抽出する作業が終わります。

このようにやると、人間や家から選ぶ場合でも大豆を入念に混ぜた時と同じくらい均等に散 らばって選ぶことができるのです。http://homepage2.nifty.com/yama-a/viewing_rate08.htm

◇なぜ私に調査の依頼が来たのでしょうか?

ビデオリサーチのアンケート調査は、標本調査といって統計学に基づき調査にご協力いただ く方を選んでいます。…その際にお答えいただいた内容が全体の代表となるよう居住地や年齢などに偏りがないように選ばせていただいております。その選び方 の多くはコンピューターを使いランダムに選ぶ方法、言い換えれば科学的なくじ引きのような方法で選ばせていただいております。

また、調査の手法によっては地域だけをランダムに決め、その中で性別や年齢など条件に該 当する人を探して調査をお願いするという方法もあります。

http://www.videor.co.jp/research/faq-a.htm#q1 株式会社ビデオリサーチ

[3] 次からは、マニュアルを作る ようにします。

[4] 悲しいかな、どんなに正しい 調査をしても、それがサンプル調査である限り誤差はつきものです。

ビデオリサーチはこ の誤差をちゃんと公表していて、例えばサンプル600世帯、視聴率20.0%の時の理論的な誤差は±3.2%です。僕たちプロはこの値をちゃんと頭に入れた上で、視聴率を眺めています。

http://homepage2.nifty.com/yama-a/viewing_rate08.htm

[5] 10%20%の差はいくらでしょう? 10%でしょうか? 10%10%1%ですね。こういうときは、 「ポイント」という言葉が使われています。つまり、「10%20%10ポイントの差がある」と表現します。

[6] 昔、「視聴率を調査する機械 を取り付けるとき、その世帯の人すべてがその機械の存在を知っているわけではない」というようなことを聞いた。本当か嘘か分からない。でも、もし自分の家 にその機械があれば、みんなに内緒で話したくなるだろう。悪用されたら、視聴率の存在そのものが、根底からくずれてしまうから、たぶん全くの嘘ではないと 思う。よかったら、調べてみてください。