3-3        ハリネズミの恋愛

◇アフリカのベナンのポポ族が語 る昔からの「板ばさみ(ジレンマ)物語」

男が妻と母親をともなって、川を渡っている。対岸にキリンが姿を現す。男が銃をとってキ リンにねらいをつけると、キリンはこう言った。「お前が撃てば母親が死ぬ。撃たなければ妻が死ぬ」。この男はどうすべきか。

 

◇囚人のジレンマ

2人のギャングが逮捕され、刑務所に拘留されている。2人はともに独房に入れられてい る。警察は、重罪で2人を有罪にするだけの十分な証拠は持っていないと認めている。そのため、それより軽微な 罪で、ともに1年の禁固刑に処す意向をもっている。警察は、同時に2人の囚人に魂を売り渡すような 取り引きを持ちかける。

「もし、相手に不利になるような証言をするなら釈放してやろう、ただしパートナーは本件 で3年 の禁固刑に処せられる。」

もちろん、これには落とし穴がある。

「もし、両方が相手に不利となる証言をした場合は、2人とも2年の刑になる。」

2人の囚人は考える時間をほんの少しだけ与えられるが、自分が最終的な決断を下すまでは、 相手がどう決めたかを知ることはできない。ともに、相手も同じ取り引きを持ちかけられていることを知っている。2人とも相手のことは頭になく、 とにかく自分のことしか考えていない――自分の刑期をできるだけ短くすることだ。

 

◇チキンゲーム

中央に白線の引かれている長いまっすぐな道路。左右の端に分かれた2台の車を少年たちが同時に発車 させる。猛スピードで互いに接近させる。どちらの車も、左右の車輪のどちらか一方は、白線の上を走らせなければならない。2台の車が接近するにつれて、正 面衝突の危険も増大していく。もしどちらかが、先に白線からはずれて相手をよけたら、その相手はすれ違いざまに「チキン(弱虫)」と叫び、よけてしまった 少年は軽蔑の対象となる。

 

◇シカ狩りゲーム

一人の力ではシカをしとめることができないが、ウサギなら一人でとらえることができる。 シカ狩りとなれば、自分の持ち場を離れてはならないと思うのが普通だ。だがそのとき、ウサギが誰かの持ち場のそばを走っていったとしたら、その者は罪の意 識もなく、そのウサギを追いかけて持ち場を離れてしまうかもしれない、と不安になる。さらに、自分だけウサギをしとめて、残りの仲間がシカを取り逃がした ことなど全く気にとめてもいないかもしれないと、疑ってしまう。

 

     目 標

(1)いろいろなタイプのジレンマがあることを知る。

(2)身の回りにあるジレンマを見つけ、タイプわけすることができる。

(3)繰り返しの囚人のジレンマの戦略を練り、高得点を得る戦略を見つける。

 

     課 題

(1)4つのジレンマを考察し、それぞれの内容を端的に表すための表を作れ。★

 

(2)次のジレンマは、(1)4つのジレン マのどれと同じタイプか。

◇ハリネズミの恋愛

 

公共輸送機関の利用者が直面する「ただ乗りのジレンマ」。
深夜の地下鉄の駅には誰もいない。切符を買わないで、改札を すっと通り抜けてみようか。だが、みんながそれをやったら地下鉄そのものが破綻し、誰もどこへも行けなくなる。

 

(3)4つのジレンマと同じ状況のジレンマをそれぞれ作れ。また、みんなでそれらを鑑賞せよ。★★

 

(4)「囚人のジレンマ」を100回(十 分に多く)行うゲームをする。★★★

@ どのような作戦を立てるとよいか。その戦略を練れ。

 

A みんなが考えた戦略で、総当たり戦をせよ。どの戦略が最も有効な戦略か。

 

(5)ジレンマについて調べ、まとめ(考察・感想)よう。★★