総合数学自由研究  

6年間の友達と出会う確率

課題1:私が通っている奈良女子大学附属中等教育学校(以下本校)は中学受験を必要とする中高一貫校である。平成15年度の入学適正テストの倍率は6.84倍と奈良県の中では高い倍率を持つ。ではこの高倍率の入学適正テストを通過し6年間同じクラスになれる友達に出会える確率はいったいどれくらいであると予想されるのだろうか?

☆まず、指定地域に住んでいる小学生が本校に入学する確率を考える。

1、本校に入学するには、「出願可能地域に住んでいる」という条件がある。この指定地域は奈良県京都府大阪府の一部の地域である。まずはこの指定地域に住んでいる小学生が本校に合格するまでを以下の3つの事象に分けてそれぞれの確率を考える。

事象A中学受験をする。 事象B本校を受験する。 事象C本校に合格する。

2、事象Aについて

京阪神の小学生の中学受験率は10.2%。よって本校の指定区域に住んでいる小学生197322人のうち中学受験をするのは… 

197322×0.10220126.84420127(人)

             20127

つまり確率を求める式は ――――― となる。

             197322

3、事象Bについて

1よりさらに本校を受験する確率は

本校受験者数           883

となる。 式より――――― =0.04387…≒4.4(%)

小学生児童数           20127

4、事象Cについて

本校の平成15年度の受験者数は883人。このうち合格したものは129人。

                129

これより本校に合格する確率は ――――=0.1460914.6(%)                                           

883

1.今回調べたい「指定地域に住んでいる小学生が本校に入学する確率」はPAB∩C

となり、ABCの積事象となる。よってこの確率は2〜3で求めた各事象の確率より

20127   883    129   2292606189

―――――×――――×――――=―――――――――= 0.00065375…0.00065   

197322  20127   883   3506834406402

*これより指定地域に住んでいる小学生が本校に入学する確率は0.065であると分かる。

☆次に1学年3クラスで編成されている本校でXさんとYさんが6年間ずっと同じクラスになり続ける確率を考える。

1、1年生のクラス分けのとき、XさんとYさんを3クラスに分ける方法は、

表記方法:(Xさんのクラス,Yさんのクラス)

(A,A)(A,B)(A,C)(B,A)(B,B)(B,C)(C,A)(C,B)(C,C)

の9通りがある。このうち、XさんとYさんが同じクラスになれるのは(A,A)(B,B)(C,C)の3通り。よって二人が同じクラスになれる確率は

3 1

―=―=0.33333.3(%) 

9 3                         

2、2年目のクラス替えで同じクラスになる確率は1年目と同じ33.3%。 

2年間連続で同じクラスになる確率は「1年生で同じクラスになる」という事象と「2年生で同じクラスになる」という事象の2つが同時に起こる積事象になる。よって2年間連続で同じクラスになる確率は                

1 1 1 

 ―×―=―≒11.1(%)  となります。                    

   3 3 9

3、この積事象により計算すると、6年間同じクラスになる確率は

1 1 1 1 1 1  1

―×―×―×―×―×―=―――=0.0013717…≒0.0014

3 3 3 3 3 3 729

*これより、XさんとYさんが6年間ずっと同じクラスになり続ける確率は0.14と分かる。

では、本題の「本校に入学し6年間同じクラスの友達に出会う」確率を出す

これは指定地域に住んでいる小学生が本校に入学する」という事象と「6年間ずっと同じクラスになり続ける」という事象の2つが同時に起こる積事象になる。これよりこの確率は

   2292606189   1

―――――――――×――=0.0000008967…≒0.00000090   

3506834406402  729

 

*この結果より本校に入学し6年間同じクラスの友達に出会う確率は0.00009

つまりもし、本校で6年間同じクラスになれた友達がいたとしたら、あなたとその友達は0.00009の確率で出会ったことになる!ので、そんな友達がいたら大切にしましょう☆

課題2:6年生で文系・理系に別れたらどうなるか?

   課題1では文系・理系に別れなかったが、6年生のクラス替えだけ文系クラスが2クラス、理系クラスが2クラスになったらどう確率は変わっていくのだろうか?

 

1、5年生まで同じクラスになる確率は課題1と同じなので省略。まず、2人の6年生で       の文系・理系への進み方は

表記方法:(Xさんの進路,Yさんの進路)

(文系,文系)(文系,理系)(理系,理系)(理系,文系)の4通り。このうち2人が同じ進路に進むのは(文系,文系)(理系,理系)の2通り。よって2人が同じ進路に進む確率は2分の1となる。

2、6年生で文系2クラス・理系2クラスにクラス編成がなされる。2人が同じ進路に進むと2人が同じクラスになれる確率は2分の1。

3、では1、と2、の結果と5年生まで同じクラスになる確率を使って6年生で文系・理系に別れた場合の確率を計算する。

1 1 1 1 1 1 1  1

―×―×―×―×―×―×―×―――=0.00102880.0010

3 3 3 3 3 2 2 972

これより6年生で文系・理系に別れた場合の6年間同じクラスになる確率は0.10となりました。6年生で文系・理系に別れることにより、クラス替えで同じクラスになる確率自体は2分の1と上がるが、その前に同じ進路に進むかどうかという選択が一つ増えたので結果的には文系・理系に分かれない場合よりも少し確率は下がってしまう結果となった。これに本校に入学するまでの確率も加えて考えると

   2292606189   1

―――――――――×――=0.0000006725…≒0.00000067   

3506834406402  972

 6年間同じクラスの友達に出会う確率は0.000067となり若干確率は下がってしまった。

課題3中高6年間同じ学校に在学する確率は?

    中学受験をした上で入る本校で6年間同じクラスになることはとても低い確率であった。では逆に中学受験をしないで地元の公立中学校に行き、高校受験をするという条件のもとではどれだけの割合で6年間同じクラスになることができるのだろうか?

 *今回は奈良県の某中学校の場合で考える。校区の小学校3校はいずれも生徒数1学年120名、中学校のクラス編成は4クラス、高校はデータがないので本校と同じ、クラス編成は3クラス、3年生から文系・理系2クラスずつに分かれるものと仮定して考える。また進学先の高校を県内の高校33校に限定して考える。

1、中学校の3年間同じクラスになる確率

課題1より京阪神の小学生の中学受験率は10.2%。中学校には3校の小学校が校区となっているので、120×3×(10.102)=323.28323(人)が入学する。そして4クラス編成で3年間同じクラスになるのは、課題1と同様積事象として考えると

323 1 1 1  323

―――×―×―×―×――――=0.014019…≒0.014

360 4 4 4 23040

1.4%の確率になる。

2、同じ高校に進学し、3年間同じクラスになる確率

奈良県内の高校33校のうち同じ1校の高校に進学するのでその確率は33分の1。三年間同じクラスになるのは課題2と同様に考えると

 1 1 1 1 1   1

――×―×―×―×―=―――――=0.0008417…≒0.00084

33 3 3 2 2 1188

同じ高校に進学し、3年間同じクラスになる確率は0.084となった。

3、1、2、より中学受験をしないで地元の公立中学校に行き、高校受験をした場合6年間同じクラスになる友達に出会える確率は

323   1    323

―――――×――――=――――――=0.000011801…≒0.000012

23040 1188  27371520

0.0012となった。今回は進学先の高校を奈良県内に限定したこと、また高校のクラス編成を本校と同じにしたため実際よりも確率が上がっていると考えられる。しかし本校よりも大分高い割合となった。

<考察>

 今回は積事象を用いて中学高校の6年間同じ学校に在籍し、同じクラスの友達に出会える確率を求めた。結果の中で一番に目立ったのは本校においての確率が極端に低かったことだ。これは本校に入学するまでの条件に事象が多く発生したことや、大阪府の一部が受験可能地域に入っているため、実際はほとんど大阪から本校を受験する小学生はいないのに、小学生の人数が多くなってしまったことが考えられる。この積事象を用いて計算する確率は、計算上あっていても、現実とは大きくずれることも多いかと思う。例えば、本校に入学する生徒の確率1つをとったにしても奈良県に住んでいる小学生と大阪府に住んでいる小学生とではまったくちがう確率がでたであろうと思う。よって今回出した確率は平均的なものであって、細かい地域ではまったくことなるということを念頭においてみるべきである。

<感想> 

今回、「6年間同じクラスになる友達」という身近な確率を求めてみて、すべて高校1年生で習った積事象を用いた確率、しかも計算は小学校で習った分数の掛け算のみで解けたということにとても驚いた。確率というと難しい計算のイメージが強かったがこうした簡単なものもあるのでより親しみがもちやすくなったと感じることができた。これからも身近なもので疑問を持つようなことがでてきたら、数学的に考えることも試していこうと思う。

<参考データ>

今回の課題を解く上で用いた人数などの数値は以下のインターネットサイトを参考にしました。

*参考サイト*

育伸社HP http://www.ikushin.co.jp/about/profile.asp
NWN 行政情報サービス http://www.e-guild.gr.jp/NWN/citydata.htm

エミール小学生の家庭教師

http://www1k.mesh.ne.jp/emile/sg/sg.html
進学情報(高校・大学)
http://www.sugita-corp.com