〔生き物の時間〕  

動物には色々な種類があり、それは、とても小さな動物〜大きな動物まで様々です。そして寿命、ようするに生き物それぞれ(人間の時間でいうところ)の命の長さがあるのです。

私は昔『人間に生まれてきて良かったなぁ』などと思っていました。もし、私が紋黄蝶としてこの世界に生を受けていたなら、菜の花を食べて青虫時代を過ごし、さなぎで寒い冬を越えて、春にちょうちょになって二週間位飛んで…それで、自分の人生が終わっていくのかな、と思うからです。まぁ、その間に[ヒトノコ]の網から逃れたり、恋をしちゃったりするのかもしれませんけど。とにかく、それはとても不公平な事で、良いことなのか悪いことなのかは、よくわからないけれども、神様はなんで私を[ヒト]にしたのだろう?という疑問を小さい頃から抱き続けていたのです。親には常々、「人間に生まれたって事は、修行してきなさいってことやねんよ」と言われてきていました。「あーそっか。じゃぁ頑張らなあかんなぁ」幼稚園児にしては、可愛くない考えだと、今では思いますが…。

しかし、私は[生物的時間]がある事を知りました。それは、動物にはそれぞれ[サイズ]に合った時間を過ごしているということです。私は衝撃を受けました。具体的には、心臓の鼓動の早さが大きい動物になる程ゆっくりで、小さい動物になる程速いという事なのですが、一生に打つ、鼓動の数は…なんと!同じなのです!!びっくりしたのと同時に安堵感がふつふつとこみ上げてきました。「あぁー良かった。やっぱ生き物皆平等!」と思い、本当に嬉しかったのです。そこで、私はこの[サイズの生物学]をテーマにしようと思います。それぞれの動物に流れている[時間]はそれぞれで、[ヒト]を基準にすること自体、お門違いなのです。それぞれの動物の時間を知る事で、ほかの生き物たちへの愛も深まるはずです。

【サイズの生物学・生物的時間】

生物のエネルギー消費は体重の3/4に比例する。この事から、小さい動物は少ないエネルギーで心臓を動かすことができ、その分鼓動を多く打つことが出来る、と考えられる。また、一回の鼓動で供給できる栄養(O2なども)、体のサイズが小さい=心臓の大きさも小さいので、沢山の鼓動を打たなくてはならないのではないだろうか。そう考えると、なるほど、鼓動を打つ回数は一生で同じになるのかもと思えた。私の解釈を書けば、小さい動物は、回数でかせぎ、大きい動物は、量でかせぐ、といった所でしょうか。どちらも、個性的で素晴らしい。では、その動物たちのエネルギー消費量を調べてみようと思います。エネルギー消費量が少ない程、心臓の鼓動の速さは早く、多いほどゆっくりになります。…何度も書きますが、一生の鼓動の回数は同じです!

[あり]

体重 1g⇒1cal

[カメレオン]

体重 27g⇒11.84467cal

[ねずみ]

体重 30g⇒12.81861cal

[ダチョウ]

体重 100000g⇒5623.413cal

[キリン]

体重 1000000g⇒31622.78cal

[ジンベイザメ(遊ちゃん)]

体重 1500000g⇒42861.61cal

[ゾウ]

体重 4000000g⇒89442.72cal

これを元に[体重:エネルギー消費量]のグラフを作成すると、以下のようになる。

また、このグラフを相対指数であらわすと、以下のように値が一直線に並び、わかりやすいかと思います。

動物によって、このようにエネルギー消費量は違ってくるが、自分の体に当てはめ、割合を考えると、体重の重い動物のエネルギー消費量は少なく、体重の軽い動物ほど大きくなる。一生に打つ、鼓動の数は同じなので、当然小さい動物の寿命は短くなる。

【考察】

これらのことを考えると、それぞれの動物には、それぞれの[時間]が流れているのだと思う。人間は大体、一分間に6090回の鼓動を打ち、それが1520億回になった時は死んでしまうものだ。よく、びっくりした時などに『今ので寿命縮んだわぁ〜』などというのも、その時、鼓動が何時もより早くなっているので、あながち嘘ではない。(しかしそれを言い出すとキリが無いとは思う。) 人間の場合の[24時間]とねずみの[24時間]では、感じ方が違うのであって、ねずみの[24時間]は人間よりも、もっと濃くて、長いと感じるものなのではないだろうか。

また、人間だけの話に置き換えてもこれは言えることだ。子供の頃は大人に比べて一分間に打つ鼓動の数は多い。そして、子供の頃は時がたつのが早いともいう。色々なことにすぐに夢中になれるのは、子供の才能ではあるが、これにも【サイズの生物学】が当てはまるのではないだろうか。大人と同じ時間を過ごしていても、彼らの中の時計は大人よりも少し遅めに調節してあって、それのお陰で長い時間のことも、そんなに時がたっていないうように感じてしまうのではないだろうか。同じ生物内の年の差から生じるサイズの違いだけで、あきらかな差がわかるのだから、違う生物だったら、もっと大きな差が出てきて当然であるし、出てこなくてはおかしい。そう思うと、ねずみの時計は、人間に比べるととてもゆっくりだと考えるのは普通で、少しの時間も長く感じるんだったら、(ヒトを基準とすると)非常に短い時間しか生きられないかもしれないが、彼らにとっては、ヒトと同じような時間を過ごして、寿命を全うしていくという事になるのでしょう。安心にました。よかったね!

[参考]

本川研究室 http://www.motokawa.bio.titech.ac.jp/

http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/sinpakuJYUMYOU.html

(おわり)