附属学校部長の挨拶

中島 道男(文学部 教授)


 奈良女子大学は来年(平成21年5月1日)で創立百周年を迎えますが、附属学校園も奈良女子高等師範学校附属以来の長い伝統をもっております。附属中等教育学校(前身は附属高等女学校)および附属小学校の歴史は明治44年にまで、附属幼稚園は大正元年にまでさかのぼりますから、いずれの校園も、大学につづいてもうすぐ百年を迎えるわけです。

 附属学校園は、こうした伝統に裏打ちされながら、これまでさまざまな特色ある教育・研究をおこなってまいりました。とはいえ、伝統をただ守るだけの伝統主義に陥ってはなりません。国立大学法人に設置されている附属学校園であることの社会的責任を十分に自覚して、伝統に新たな生命を吹き込む必要があります。

 もちろん、そのための体制作りはすでになされており、活動も進展しております。平成16年4月からの大学法人化にともなって、それまで文学部附属であった各校園は大学附属になりました。これを契機にして、附属学校園を統括する大学の部署として附属学校部ができたわけです。同時に、教育システム研究開発センターも設置され、附属と大学の連携は、ハード・ソフトともに充実してきました。そして、附属中等教育学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定(平成17年度から5ヶ年)や、3附属学校園の「幼・小・中等15年間にわたり、事物認識とその表現形成の徹底化を通して、独創的で『ねばり強い』思考能力を育成する教育課程の研究開発」を課題とした研究開発学校指定(平成18年度から3ヶ年)など、着実に成果を生み出しつつあります。

 大学と附属との、そして附属学校園間のますますの連携強化によって、先導的な教育の実践・研究をこれからもいっそう推進させていきたいと思います。

 今後とも、附属学校部の活動にたいしましてご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。