附属学校部長の挨拶

野口 哲子(理学部 教授)


 奈良女子大学の附属幼稚園・小学校・中等教育学校(平成11年3月までは、中学校と高等学校)は、1911年に本学の前身である奈良女子高等師範学校の附属として設置されました。1949年に奈良女子大学が発足し、1952年に奈良女子大学文学部内に教育学科が設置されて以来、附属学校園は長い間文学部附属として存在してきましたが、2004年4月に奈良女子大学が国立大学法人になったのに伴って大学附属となり、附属学校部が教育システム研究開発センターと共に新設されました。

 附属学校園を擁する国立大学法人は全国で56大学ありますが、幼稚園から高等学校まで擁するのは7大学で、そのうち、中高一貫教育を行う中等教育学校を擁するのは本学だけです。このような本学の特色を活かした教育・研究を更に推進するため、附属学校部には、各学校園の校園長と副校園長、および大学の各部局から選出された委員からなる附属学校運営委員会が置かれています。このような体制のもと、各附属学校園相互の協力・連携、更に大学と附属学校園の連携を強化し、教育システム研究開発センターと連携しながら、幼児・初等・中等教育の先導的な実践・研究を推進していきます。

 奈良女子大学の附属学校園は、まもなく創立100年を迎えます。この間、伝統的な特色ある教育・実践と研究成果を広く全国に発信してきましたが、新体制の下で平成18年度には、以下の実績を築くことができました。

1.研究課題:『幼・小・中等15年間にわたり、事物認識とその表現形成の徹底化を通して、独創的で「ねばり強い」思考能力を育成する教育課程の開発』をテーマに、三附属学校園共同で研究開発学校(3年間)の指定を文部科学省より受けました。

2.教育システム研究開発センターと共に、リベラルエデュケーション・プロジェクトを推進しました。

3.附属小学校に栄養教諭を配置し、大学の食教育研究推進事業に協力して、先導的な食教育を推進しました。

 以上のような附属学校部の活動に広くご理解をいただき、温かいご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。