附属学校部長の挨拶

水上 戴子(生活環境学部 教授)


 附属学校部は2004年4月に発足しました。2004年4月に奈良女子大学が国立大学法人に移行すると同時に、附属学校園が連携・協力して、大学と一層連携した教育、研究活動を推進していくために大学全体の附属として改組されることになり、附属学校部が新設されたのです。それ以来、附属学校園の運用は全学組織となり、中等教育学校と小学校に歴代校長として初めて、それぞれ生活環境学部と理学部教授が就任しました。また、附属学校園の様々な事柄については、全学の各部局から選出された委員から成る附属学校運営委員会で、全学的な見地から審議、推進する体制が整えられました。このような体制のもと、大学と附属学校園の連携とともに各附属学校園相互の理解と協力・連携を図ることが附属学校部の役割であると考えています。

 附属学校園のこれまでの歩みと今後の課題についてご紹介したいと思います。附属学校園には大学と同様に長い伝統と歴史があり、1911年に本学の前身である奈良女子高等師範学校の附属として設置されました。その後、1949年に奈良女子大学が発足し、1952年に奈良女子大学文学部内に教育学科が設置されて以来、長年にわたって附属学校園は文学部附属として存在してきました。本学の附属学校園はこれまで伝統的な特色ある教育・実践と研究成果を広く全国に発信してきましたが、今後も幼児・初等・中等教育が直面している諸課題に対し、社会的要請等をも考慮し、先導的な実践・研究を推進する使命を担っています。このため、既に2003年12月に設置された奈良女子大学教育システム研究開発センターとの連携により、本学と附属学校園との教育・研究活動が進められており、これを推進していきたいと考えています。

 これまで大学との連携としては、附属学校園は教育実習、参観の受け入れ、附属の教諭による教職科目担当などを通じて教員養成への貢献が極めて大きく、また、文学部を中心とした関連学問領域の研究フィールドとしても大学の研究・教育に貢献してきました。また、大学が実施する地域貢献、国際交流等の各種事業に協力してきました。一方、3年前にスタートしたアカデミックガイダンス(AG)をはじめとする様々な取り組みが、大学教員に多大な協力を得てなされてきました。今年度は、理学部や生活環境学部と附属学校園との連携による新たな取り組みが幾つか計画されています。このような活動については、これからも一層推進を図っていきたいと思います。今後、幼稚園、小学校、中等教育学校と3つの附属学校園を擁する本学の特色を活かした教育・研究計画が実現することも大いに期待しています。

 以上のような附属学校部の活動に関して広くご理解いただき、ご意見、ご提案等がございましたらお寄せ下さい。 また、皆様方の温かいご支援とご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。