化学物質のリスクアセスメントについて

 化学物質による健康被害が問題となった胆管がん事案など最近の労働災害の状況を踏まえ、労働災害を未然に防止するため、「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(平成26年法律第82号)平成266月に公布されました。このことにより、一定の危険有害性のある化学物質(640物質)について、リスクアセスメントを実施することが義務づけられました(平成2861日施行)。
 現在、環境安全管理センターでは、リスクアセスメントを適正かつ有意義に実施するための準備を進めており、具体的な実施方法等について近日中にアナウンスする予定です。該当の試薬を使用する場合は、以下にご留意ならびにご対応いただきますようお願いいたします。

 

1.リスクアセスメントとは

 化学物質やその製剤の持つ危険性や有害性を特定し、それによる使用者への危険または健康障害を生じるリスクの程度を見積もり、そのリスクの低減対策を講じることをいいます。リスクの程度は、その物質の危険性の大きさと使用者への曝露の程度によって算出されます。

 

2.対象物質

 
安全データシート(SDS)の交付義務の対象である640物質です。

 *薬品管理支援システム(IASO)にて、研究室毎の対象物質がリストアップできます。
  IASO R6 Data Manager > 使用量集計リスト/法規
  > 法規の労働安全衛生法/第57条の2SDS交付義務)にチェック、
   詳細リストにチェックを入れ、集計期間を指定しリストボタンを押す。

 

3.化学物質リスクアセスメント手順

(1)使用化学物質の危険性情報の収集
 
化学物質のラベルおよび安全データシート(SDS)にて、危険有害性の要約(GHS分類)、適用法令、化学物質の性質等の情報を確認してください。入手したSDSは、ファイリング等にて保管してください。特に、化学物質を実際に使用している者がその情報を理解するようご指導ください。

(2)リスクアセスメントの実施
 
具体的な実施方法については、改めてご連絡いたします。

 

4.その他

 
化学物質を使用する際には、リスクを低減するために、次のことを日頃から心がけておいてください。
 
・保護眼鏡、保護手袋を着用する。
 ・局所排気装置(ドラフト等)を使用する。
 
・使用する化学物質の危険性を確認する。

 

2016.10.11 奈良女子大学における化学物質リスクアセスメントについて(その2)

2016.09.02 奈良女子大学における化学物質リスクアセスメントについて