<公開講座の様子/平成26年 2月 2日(日)>

『講座名』 歴史を繋げていくために ー(奈良の)皆さんに知っていただきたいことー
『講  師』  森本公穣氏 (東大寺)


『講義風景写真』



本学から東北、約5−10分のところに位置する東大寺。講演ではまずピーター・ドラッガーの「非営利組織の経営」より、「いまも機能している最古の非営利機関は、日本にある。奈良の古寺がそれである。・・」を引用され、聖武天皇「盧舎那仏造顕の詔」から話を始められました。【動植ことごとく栄むとす】は、その根幹でありどうぞこれだけは覚えていてくださいと念をおされます。正倉院に残る大仏開眼の儀式に使われた筆と対で保存されている紐(はなだのる)は、僧侶の持つ筆が紐を介して多くの人につながって行われたことを語っていますと説明されました。このことは、後半の自身も幾たびも参籠されている修二会で、戦国時代からの僧の名前が連なっている「牛玉誓紙」の最後に自分の名前を書き加えられたというお話のときにふっと、そのつながりを感じました。大仏再建に尽力された高僧の方の名前をその紙に、父の名前も後ろのほうに見つけ、そしてそこに自分も記す、これが『歴史を紡ぐ』ことかもしれません。用意いただいたパワーポイントも非常に見やすく、そして修二会で使う実際のものもたくさん持参いただき、今回の講演のために多くの時間を割いてくださったと有り難く思いました。


『受講者アンケートより』


・重源上人、公慶上人のお話しは勉強になりました。守り伝えることの大切さを理解出来たいと思います。
・練行衆のお一人である講師のお話には迫力がありました。神名帳、過去帳の読み上げも良かったです。
・大変分かりやすい説明で理解を深める事が出来ました。遠い処にあったものが少し近づいて来たように思います。「動植ことごとく栄えむとす」を大仏建立の聖武天皇の思いであったと口にして1人でも多くの方にお話ししたいと思います。
・聖武天皇の詔の理念から、現代に至るまでのつながりというものについてお話しいただき、感銘しました。また、神名帳などの読み上げのお声がすばらしく感動しました。

 
 作成・管理:奈良女子大学社会連携センター