考古学のなかには「環境考古学」とよばれる分野があります。考古学といえば、土器や石器や鏡や瓦、古墳や建物など、人間がつくったモノを調べる、ということが一般的なイメージですが、環境考古学では、遺跡から出土する動物の骨や植物の種子などから、人間が生活するうえで欠かすことのできなかった自然環境と人間の関わりの歴史を調べます。人間はいかにして、その環境のなかで生きてきたのか。それを知ることは、現代社会に生きる私たちにとって、決して遠い昔のお話しではなく、いかに生きるべきかを問い直す未来への指針となるものです。
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