<第3回 オリンピック・公開シンポジウム>


『嘉納治五郎が構想したオリンピック
         ──日本におけるオリンピズムの受容と展開』


 2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される。オリンピックはスポーツの競技大会であると同時に、文化的プログラムでもある。東京大会について考える際に、オリンピックとはどのようなイベントであるのか、それを開催するということが東京という都市や日本に何をもたらすか、といった問いを立てることにとどまらず、このムーブメントがどのように歴史的・社会的に継承されてきたのか、そしてそこに東京、日本がどのような意義を新たに書き込めるのか、という視点を付け加えることによって、東京大会はより実りあるものになるだろう。
  第3回目となる奈良女子大学・オリンピックシンポジウムは、オリンピズムの日本における受容過程について、大日本体育協会(現日本体育協会・JOC)を創設し、国民体育の構想を掲げた、講道館柔道の創始者でもある嘉納治五郎に焦点を当てて議論する。日本におけるオリンピックはどのような理想を掲げて受容され、その土台を築いていったのか、幻のオリンピック招致(1940年)にいたる過程を視野に入れながら論じる。そこには西洋に伍して成長をとげつつあった日本の近代的特徴が見出されるのではないか。そのとき、オリンピックは嘉納治五郎が理想として描いた国民体育の思想、講道館柔道の発展とどのような関係を築き、あるいは齟齬を生んでいたのかについて考えたい。 

・日  時  2016年 2月20日(土)
14時―16時15分

・シンポジスト

コーディネーター
井上洋一(奈良女子大学教授)

井上 俊 (大阪大学名誉教授)
坂上康博(一橋大学教授)
石坂友司(奈良女子大学准教授)

コメンテーター
和田浩一(フェリス女学院大学教授)

・会  場  奈良女子大学文学系S棟 235

・入場無料 / 事前申込不要



<シンポジスト/コーディネーター>

井上 俊(大阪大学名誉教授)
「嘉納治五郎におけるオリンピックと国民体育」

   ・『武道の誕生』(2004, 吉川弘文館)
   ・『スポーツと芸術の社会学』(2000, 世界思想社)

坂上康博(一橋大学教授)
「嘉納の柔道思想とオリンピック」

   ・『スポーツと昭和天皇──〈玉体〉の近代史』(近刊, 吉川弘文館)
   ・『海を渡った柔術と柔道──日本武道のダイナミズム』(編著, 2010, 青弓社

石坂友司(奈良女子大学准教授)
「嘉納と大日本体育協会からみたスポーツ界の足跡──オリンピック初参加から幻に至るまで」

   ・『<オリンピックの遺産>の社会学──長野オリンピックとその後の10年』(松林秀樹共編, 2013, 青弓社.)
   ・「東京オリンピックと高度成長の時代」(坂上康博・高岡裕之編, 2009,
      『幻の東京オリンピックとその時代』青弓社, 96-124)

和田浩一(フェリス女学院大学教授)
「嘉納とクーベルタンの思想的近似性」

   ・『21世紀に生きるピエール・ド・クーベルタンのオリンピズム──日本の過去と未来の視点から』
      (藤井雅人他共編著, 2015, 『体育・スポーツ・武術の歴史にみる「中央」と「周縁」』道和書院, 224-41)
   ・「嘉納治五郎から見たピエール・ド・クーベルタンのオリンピズム」
      (金香男編,2014, 『シリーズ・ワンアジア──アジアの相互理解のために』創土社, 167-189)

井上洋一(奈良女子大学教授)
   ・「アスリートをめぐる課題」(日本スポーツ法学会監修, 2011, 『詳解スポーツ基本法』成文堂, 167-82.)
   ・「モスクワオリンピックボイコットに対する訴訟──アメリカにおける競技者の参加の権利」



<お問合せ>

   ・奈良女子大学スポーツ健康科学コース 石坂友司
      ・TEL・FAX 0742-20-3347
      ・E-mail yishizaka@cc.nara-wu.ac.jp


   ・奈良女子大学   社会連携推進センター
      ・TEL 0742-20-3338(平日 9:00〜17:00)
      ・FAX 0742-20-3958


 
 作成・管理:奈良女子大学生活環境学部心身健康学科スポーツ健康科学コース・奈良女子大学社会連携センター