奈良女子大学・奈良まほろば館連携<連続公開講座>  『奈良を拓く』


<第十三回>
・開講日時  2016年 5月18日(水) 16時30分―18時
・題  目  天皇の棺から阿修羅像へ―夾紵技術の謎
・講  師  宮路淳子(人文科学系教授)
・募集開始  2016年 4月18日(月)(予定)

<第十四回>
・開講日時  2016年 6月29日(水) 16時30分―18時
・題  目  消えた写真の謎
        ―岩波文庫で読む『吉野葛』の世界―
・講  師  磯部敦(人文科学系准教授)
・募集開始  2016年 5月30日(月)(予定)

<第十五回>
・開講日時  2016年 7月27日(水) 16時30分―18時
・題  目  保田与重郎とロマン主義について
・講  師  田中希生(人文科学系助教)
・募集開始  2016年 6月27日(月)(予定)

<第十六回>
・開講日時  2016年 8月10日(水) 16時30分―18時
・題  目  ガイドブックが書かない世界遺産の見どころ
・講  師  上野邦一(名誉教授)
・募集開始  2016年 7月11日(月)(予定)

・場  所  
奈良まほろば館2階(東京都中央区日本橋)
・定  員  70名(先着申込み順)

<お申込み>

   お申込みは、 各講座ごとに、それぞれの開催日の約一か月前より、おこなっていただくことができます。
ハガキまたはFAX、あるいは奈良まほろば館HPの「申込フォーム」からお申込みください。ハガキまたはFAXの場合は、必要事項(講演名・講演日・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢)を明記いただき、
奈良まほろば館までお送りください。

      ・〒103−0022 東京都中央区日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル 奈良まほろば館2F
      ・TEL 03-3516-3931(開館時間10:30〜19:00)
      ・FAX 03-3516-3932

お申込みは それぞれの講座毎の募集開始日より行っていただきます。複数同時申込み等は受け付けられませんのでご注意ください。

<講座概要>

・講 師  宮路淳子:
・題 目  天皇の棺から阿修羅像へ―夾紵技術の謎

  古代日本には、ほんの百数十年だけ使われ途絶えた夾紵という漆技術がありました。夾紵とは、布と漆とを互層に塗りかためながら造形を行うもので、古くは古代中国の戦国時代から使われてきた技術です。日本では、7世紀の飛鳥時代に、遺体を埋葬する際の棺を作るためにその技術が採用されました。その技術は一般には広がらず、天皇もしくは非常に身分の高い人が葬られるときにのみ使用されるものでした。その技術が、その後仏像の造形にも用いられてゆきます。当麻寺四天王立像や興福寺八部衆立像がその代表例です。しかしこの技法は、8世紀の奈良時代をもってほぼ途絶えます。奈良に都が置かれた短い期間だけ、天皇の棺と仏像にのみ用いられた夾紵技術について、最近の科学分析の成果もあわせて解説します。

・講 師  磯部敦:
・題 目  消えた写真の謎―岩波文庫で読む『吉野葛』の世界―

  岩波文庫の『吉野葛』(谷崎潤一郎)は、創元社版『吉野葛』(昭和12年)を底本にしていることから北尾鐐之助撮影の写真図版が多数掲載されていますが、そのうち数葉ほどが文庫から外されています。どのような写真が、なぜ外されているのでしょうか。そもそも、なぜ写真が掲載されているのでしょうか。物語の内容とからめながら、この謎について考えてみたいと思います。

・講 師  田中希生:
・題 目  保田与重郎とロマン主義について

  大物主大神の鎮まる三輪山の所在する奈良県は桜井市出身の文学者、保田与重郎は、戦時中、日本的ロマン主義を唱えて若者に絶大な影響を与え、そして戦後は三島由紀夫が評したように、《海中深く廃棄された放射性物質》のごとき扱いを受けた人物です。彼が故郷について語ることは、海に散ってゆく若者にとっては、日本そのものを故郷として捉え返すことでした。そんな保田に思いを馳せながら、文学とはなにか、歴史とはなにか、そして故郷とはなにかについて、考えてみたいと思います。

・講 師  上野邦一:
・題 目  ガイドブックが書かない世界遺産の見どころ

  奈良県に所在する世界文化遺産を取り上げるガイドブックが、書店にあふれるほど並んでいます。写真やイラストがふんだんにあり、多くのことを教えてくれます。けれども、専門家の目から見れば肝心のことが書いていません。その一つが、古代の寺院が宗教の拠点として建設されているのはもちろんですが、実は寺院を美しく造ろうとデザインする人物がいたらしい、ことです。そこで、法隆寺西院伽藍、薬師寺東塔、唐招提寺金堂を取り上げ、建築の見どころを紹介します。この3つ寺院には、丁寧に観察しないと気付かない工夫があるからです。美しさを伝えようとした工夫はどういうものか、皆さんと一緒に確かめて行きたいと思います。

    

 
 作成・管理:奈良女子大学社会連携センター