奈良女子大学・奈良まほろば館連携<連続公開講座>  『奈良を拓く』


<第十七回>
・開講日時  2016年 9月14日(水) 16時30分―18時
・題  目  古代の災害と政治
・講  師  舘野和己(名誉教授)
・募集開始  2016年 8月15日(月)(予定)

<第十八回>
・開講日時  2016年10月 5日(水) 16時30分―18時
・題  目  表象としての和歌
        ―「いにしへの奈良の都の八重桜」を中心に
・講  師  岡崎真紀子(人文科学系准教授)
・募集開始  2016年 9月 6日(火)(予定)

<第十九回>
・開講日時  2016年11月23日(水) 16時30分―18時
・題  目  平城京〜古代都城のまちづくり
・講  師  山本直彦(生活環境科学系准教授)
・募集開始  2016年10月24日(月)(予定)

<第二十回>
・開講日時  2016年12月21日(水) 16時30分―18時
・題  目  万葉集はなぜ読める?―漢字に託された日本語―
・講  師  尾山 慎(人文科学系准教授)
・募集開始  2016年11月22日(火)(予定)

・場  所  
奈良まほろば館2階(東京都中央区日本橋)
・定  員  70名(先着申込み順)

<お申込み>

   お申込みは、 各講座ごとに、それぞれの開催日の約一か月前より、おこなっていただくことができます。
ハガキまたはFAX、あるいは奈良まほろば館HPの「申込フォーム」からお申込みください。ハガキまたはFAXの場合は、必要事項(講演名・講演日・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢)を明記いただき、
奈良まほろば館までお送りください。

      ・〒103−0022 東京都中央区日本橋室町1-6-2 日本橋室町162ビル 奈良まほろば館2F
      ・TEL 03-3516-3931(開館時間10:30〜19:00)
      ・FAX 03-3516-3932

お申込みは それぞれの講座毎の募集開始日より行っていただきます。複数同時申込み等は受け付けられませんのでご注意ください。

<講座概要>

・講 師  舘野和己:
・題 目  古代の災害と政治

  古代においても現代と同じように、地震・水害・旱害・疫病など、大きな災害にしばしば見舞われた。それらは六国史に記録されているところである。そしてその記録は、現代の、あるいは将来の災害対策への指針になるものと考えられている。災害は人々の暮らしを不安定にするとともに、政治的な危機でもあった。特に天平9年の平城京における天然痘の大流行は、政権中枢にいた藤原四子を全滅させ、政治に混乱をもたらした。災害が起こった時、古代の政府はそれをどのように受け取り、いかなる対応策を講じたのだろうか。いくつかの事例から考えてみたい。具体的な救済措置とともに見えてくるのは、災害要因の理解の仕方である。それはいまだ科学の進んでいない時代特有の特徴を示すが、現在の我々にも考えさせる要素があるのではなかろうか。

・講 師  岡崎真紀子:
・題 目  表象としての和歌 ―「いにしへの奈良の都の八重桜」を中心に

  古代の都である奈良は、平安時代以降の和歌にも数多く詠まれています。京に都が遷ったあとの奈良は、かつて都があった空間として、人々の想像力をかきたて続けたのです。それでは、和歌の世界において、「奈良」というイメージはどのように詠まれているのでしょうか。『百人一首』に収められている伊勢大輔の歌、「いにしへの奈良の都の八重桜今日ここのへに匂ひぬるかな」を中心に考えます。

・講 師  山本直彦:
・題 目  平城京〜古代都城のまちづくり

  古代の平城京のみやこは、中国の都城といわれるみやこのかたちに習って、手狭になった藤原京からの引っ越しを念頭に計画されました。まちは縦横2倍の広さで壮麗なみやこが計画されたのですが、思わぬ失敗もいくつかありました。実は、この失敗を踏まえて、その後の長岡京や平安京のみやこは計画されています。いわば、平城京のまちづくりは、日本の都城を計画する試行錯誤のプロセスにあったのです。また、平城京は、その後、長く田畑と化していたため、発掘調査によってさまざまなことが分かっています。今回は、こうした平城京のまちづくり計画の試行錯誤の過程について、計画技術、土木技術、建設技術を交えてお話したいと思います。

・講 師  尾山 慎:
・題 目  万葉集はなぜ読める?―漢字に託された日本語―

  万葉集の歌はすべて漢字でかかれています。「君(きみ)」「秋(あき)」「月(つき)」など私たちにもおなじみの漢字、そして訓読みも出てくるので、一文字一文字は読めそうな気がするのですが、中には「春楊葛山發雲立座妹念」というわずか10文字で済ませているものがあります(万葉集で最も文字数が少ない作品)。和歌ですから5/7/5/7/7で31音あるはずですが、この漢字10文字からどうやってそれをひねり出すのでしょう。なぜ、「はるやなぎ/かづらきやまに/たつくもの/たちてもゐても/いもをしそおもふ」と読めるのでしょうか。この10文字だけを見せられても、普通はそのように読めないはずです。この講義では、漢字だけで書かれた和歌がどのように読まれてきたのか、そもそも「読める/読めない」というのはどういうことなのかについて、いにしえの奈良の人々の文字と言葉にたちかえって、考えます。

    

 
 作成・管理:奈良女子大学社会連携センター