<奈良女子大学第15回研究フォーラム>

災害研究 −大和・紀伊半島の災害・防災に向けて−

奈良女子大学社会連携センターでは、学外ビジネスフェアへの出展の他、一般の方に大学の研究内容をより身近に感じていただく機会として、年に一度研究フォーラムを開催しております。
阪神淡路大震災から23年、東日本大震災から7年…私たちは、南海トラフでの巨大地震など、今後の災害の危機にさらされています。大学での教育研究の現場では、災害研究はどのように扱われているのか?災害研究の最先端から、災害・防災について学ぶチャンスにしたいと思います。
多くの方々のご来場をお待ちいたします。

・日  時  2018年 3月8日(木)
    13時00分―15時30分

・会  場  奈良女子大学
    コラボレーションセンター3階
       Z306教室

・定  員  70名


・参加費無料
・資料準備の都合上、事前のお申し込みにご協力ください。



<フォーラム概要>

・開会挨拶
藤原素子(奈良女子大学 副学長)

・「大和・紀伊半島の災害発生基盤」
高田将志(奈良女子大学 文学部人文社会学科地域環境学コース 教授)
2011年の東日本大震災時に発生した津波被害は、日本に大きな衝撃をもたらした。また、同年には、台風12号の豪雨によって紀伊半島大水害も発生している。湿潤変動帯に位置し、地球表層の変動が活発な日本列島では、地震・津波・火山噴火・洪水・土砂移動などの自然現象とうまく付き合わなければ、前述のような自然災害から逃れることはできない。この講演では、大和・紀伊半島地域で発生し得る自然災害について概観し、自然災害から身を守るポイントについて考える。

・「災害・ことば・社会」
小川伸彦(奈良女子大学 文学部人文社会学科文化メディア学コース 教授)
ことばは事物を表現する単なる道具ではない。それは事象に存在を与えそれを事実化する力を持っている。がれき、震災遺構、フクシマ……。創造的であり時として暴力ともなる言葉の力を知っておくこと。これも災害への備えのひとつの形であろう。どのような事象がどのような言葉によっていかなる存在を与えられるのか。社会学の視点で考えてみたい。

・「災害時の人間行動から考えるリスク・コミュニケーション」
天ヶ瀬正博(奈良女子大学 文学部人間科学科心理学コース 准教授)
大規模災害に際しては、行政による一元的な管理、指示、支援には限界があり、住民、事業所、学校など地域の利害関係者が減災はじめ種々の課題解決の担い手となる。そのため、それらの利害関係者が、日常的にリスク・コミュニケーションをとる必要がある。災害におけるリスクの評価には、自然環境、社会環境、情報環境、人間行動についての把握が重要である。災害時の人間行動に関するリスク・コミュニケーションについて考えたい。

・「災害における参加型地理情報の可能性と課題」
西村雄一郎(奈良女子大学 文学部人文社会学科地域環境学コース 准教授)
従来、行政や企業が中心となって作成や更新、利用が行われてきた地理情報を、一般の人々が作成・共有し、自由に利用する参加型のプロジェクトが近年盛んになっている。日本国内でも、東日本大震災をひとつの契機として、参加型地理情報の作成がさまざまな形で進められている。発表では、グローバルに行われている災害に関わる参加型地理情報の動向・現状を紹介するとともに、その可能性や課題について論じたい。

・「授業成果報告」
西谷地晴美(奈良女子大学 文学部人文社会学科歴史学コース 教授)
文学部人文社会学科歴史学コースが実施している3回生対象の「歴史学実習」では、大和・紀伊半島を対象としたフィールドワークを行っている。2016年度は熊野〜伊勢をめぐったが、現地で尾鷲神社と津波との関係に興味を抱いた一人の受講生が、「災害と伝承」についてハイレベルな調査研究レポートを提出した。実習担当教員として、その成果を報告する。

・討論

・閉会挨拶
内田忠賢(奈良女子大学 社会連携センター長)



<お申込み・お問合せ>
   ・奈良女子大学   社会連携センター
      ・TEL 0742-20-3734(平日 9:00〜17:00)
      ・FAX 0742-20-3958
      ・E-mail kouza@jimu.nara-wu.ac.jp


 
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