4.縮小型都市計画について
←研究テーマのトップに戻る


 日本は2004年をピークに人口が減少している。政府の予測では、今後、長期に渡って人口が減る。今の出生率が改善されない場合、22世紀を迎える頃には、人口はおおむね現在の三分の一になると予測されている。少子化対策の政策的優先順位をあげ、出生率の回復を図るべきだが、それでも人口が増加に転じることはないだろう。先進国の都市計画は増える人口や産業を効率的に受け止める計画技術であった。しかし、今後はその前提が消滅する。そのため、人口減少に対応できるような都市計画の確立が求められる。




(1)縮小型都市計画の方法

【内容】
  人口減少に対応した都市計画はヨーロッパ、とりわけドイツで実践されている。その内容を把握する。また、アメリカの一部でも縮小型の都市計画が検討されており、その内容を把握する。そして、日本でそのような対策をとる際の課題を明らかにする。

【過去の主な調査】
● ドイツのシュリンキング型都市計画の実態調査(2007年度、2008年度)
● アメリカのシュリンキング型都市計画の実態調査(2009年度)

ドイツの減築、上半分を撤去した建物 ドイツの建物撤去、住棟を撤去した後




(2)工場の閉鎖・撤退と自治体のまちづくり

【内容】
 近年、工場の海外移転が進み、地域から次々と工場が撤退している。工場の閉鎖・撤退は地域に大きな影響を与えるが、現行の制度では閉鎖・撤退にまったく対応できない。工場の閉鎖・撤退に対して自治体はどのように対応すべきかを検討する。
  ヨーロッパでは、工場の閉鎖・撤退に関するルール作りが進んでいる。フランスを対象にその実態を調査する。

【主な研究業績】
●『工場の閉鎖・撤退が地域社会に及ぼす影響に関する研究
  ー尼崎市における事業者から見た影響についてー』
  2005年10月、「家政学研究vol.52、No.1」p1〜p11
●『民間企業の工場閉鎖に関する研究ー跡地に関する手法についてー』
  2006年6月「日本建築学会技術報告集第23号」p379〜p384
●『住工混在地における用途地域変更と土地利用用途の変化について』
  2007年7月、「日本家政学会誌Vol.58 No.7」p25〜p35

【過去の主な調査】
● 全国の企業撤退に関する実態調査(2003〜2006年度)
● フランスの工場閉鎖・撤退に関する実態調査(2006〜2007年度)




▼終了したテーマ


(1)商業施設の閉鎖、撤退と地域社会、消費生活

【内容】
 近年、商業施設をめぐる大きな変化として、大型店の撤退、閉鎖をあげることができる。一体、このような変化が、地域社会、消費生活にどのような影響を与えているのかを検討する。また行政はどう対応すべきかを考える。

【主な研究業績】
●『大型店撤退に関する研究−撤退大型店の特徴及び行政の対応策−』
   (井上芳恵、中山徹)、「第37回日本都市計画学会論文集」、2002年10月
●『大型店撤退が買い物行動に及ぼす影響に関する研究
    ー熊本県人吉市における事例よりー』
   (井上芳恵、中山徹)、
   「日本家政学会誌vol.54、No.7」、2003年7月
●『民事再生法による大型店撤退と地域の対応に関する研究』
   (井上芳恵、中山徹)、「家政学研究vol.50、No.1」2003年10月

【過去の主な調査】
●大型店撤退に関する全国実態調査(2001年度)
●大型店撤退に伴う消費生活の変化(2001年度)
●大型店の撤退と行政の対応に関する実態調査(2002、2003年度)



←研究テーマのトップに戻る ↑ページ先頭へ



中山徹研究室トップページ 奈良女子大学トップページ