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角田秀一郎(Tsunoda, Shuichiro)のページ

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  (最終更新日 2005/03/23)


構造数学講座 教授 専門分野:代数学 algebra
仕事の紹介(学内3回生向け):

最近は複雑系に関連した数学を研究しています.

複雑系の問題とは部分と全体の問題です.例をあげましょう.脳と心の問題をご存じでしょうか.心や意識は脳神経細胞の一種であるニューロンの活動以外の何者でもないといわれます.そういわれても不思議な気がします.細胞そのものに心が宿っているようにはみえませんから.一方で哲学めいた質問があります.自然数ひとつひとつは明らかに有限です.しかし自然数全体を集めると無限(集合)になりますね.なぜ有限の数をすべて集めると無限になってしまうのでしょうか.みなさんのような数学科の学生は自然数は無限個あるのだから無限集合になるの当然と思うでしょう.しかし,そう思うことで失ってしまうものがあるのです.

じつは心も無限も全体概念と呼ばれるものなのです(全体概念とは簡単にいえば部分だけを見ていたのでは見えないものです).この全体概念を記述する数学はまだありません.しかし,そんな数学ができれば,全体概念として心と無限を同一レベルで論ずることができるはずです.そうなれば自然数(の見方)もおのずと変化します.というのは不可思議な心となんの疑問の余地もない無限がつながっていくからです.

「数」は心のような不思議な存在ではないが,かといって,現在の数学が主張するような確定した存在でもないのです.この辺のことを明確にできる〈数学〉を模索しています.

こんな話に興味があれば立命館大学の辻下徹さんのページ http://altmath.ac-net.org を覗いてみてください .多種多様な研究をそこで見ることができます.