地域志向科目「なら学+(プラス)」が開講中です〜奈良を通じて地方創生への知見を深めよう!〜  

 
 地域志向科目の1つである「なら学+(プラス)」(教養教育科目)が開講中です。 この授業では、COC+参加大学、県内自治体・県内企業から多彩なゲストスピーカーをお迎えし、様々な視点から奈良の課題や取り組みについて学ぶことによって、問題解決力、提案力を養い、奈良はもちろんのこと、地元に帰っても活躍できる未来の地域リーダーの育成を目指しています。 今年度は全学部・全回生から217名の学生が受講しています。講義スケジュールは下記の通りです。1コマ90分の授業に、行政・民間双方からゲスト講師をお招きして、多面的なモノの見方を促し、また授業冒頭には、前回授業の受講生感想と、講師からのコメントをもとに振り返りを行い、奈良の課題について様々な他者と学ぶ授業構成としています。 本記事作成時点で、第9回までの授業が終了していますが、授業の雰囲気をつかんで頂くため、以下に第5回の『伝統産業(薬業)への理解を深め、課題を探る』の授業を紹介いたします。 また、第14回目(121日)は、昨年度の課題レポート「奈良への提案」優秀賞受賞者による発表ならびに南都経済研究所から講師を招き、地方創生にかかる総括講演を行います。この授業は公開講座としますので、興味のある学生の皆さんは是非S235教室にお越しください。


 1.令和元年度なら学+(プラス)授業スケジュール

授業内容 担当教員(ゲスト講師)

1

ガイダンス やまと共創郷育センター

2

奈良でのコンテンツツーリズムを考える 奈良県立大学&吉野ビジターズビューロー

3

観光産業への理解を深め、課題を探る 奈良市観光協会&飛鳥観光協会

4

多様な生き方・働き方、起業を考える 奈良県女性活躍推進課&チアフル

5

伝統産業(薬業)の理解と課題を探る 奈良県薬事研究センター&佐藤薬品工業

6

奈良の食、奈良の食育を考える 樺r利&名阪食品

7

柿(奈良特産)を通じたマーケティングを考える 奈良県農林部マーケティング課&潟}ックス

8

伝統産業(林業)の理解と課題を探る 奈良県森林技術センター&潟Cムラ

9

地場産業への理解と課題を探る 河村繊維梶附総L産業

10

奈良の現代産業に聞く ATOUNDMG森精機

11

地方自治体の役割・課題を探る 奈良県地域振興部&下市町

12

生活福祉(地域で暮らす)を考える 奈良佐保短期大学、奈良県社会福祉協議会

13

地域産業における技術の伝承、技術者の関わり 奈良工業高等専門学校

14

課題レポート紹介と地方創生にかかる講演 本学学生&南都経済研究所

15

学生による地域活動発表と振り返りレポート 本学学生&やまと共創郷育センター

 2.授業紹介「伝統・地場産業(薬業)の理解と課題を探る」(令和元年1112日実施)
   奈良県 薬事研究センター 主任技師 蔦原 稜太 様   佐藤薬品工業梶@総務部 課長 前田 晋也 様 

     (1)授業概要

奈良県薬事研究センターから、生薬・漢方薬、奈良の薬の歴史、地場産業として発展してきた理由や、配置販売等奈良の薬の町の特色等の説明を受けた。 続いて、橿原市に本社のある佐藤薬品工業蒲lから、会社の概要、沿革をはじめ、経営理念、特に製薬会社として「信頼に応える」ことの積み重ねが会社を支える。 モノづくりは人づくりであること、奈良女OGが活躍していること、地域貢献が、新たな開発に繋がると講義をいただいた。

     (2)学生の意見や感想(抜粋)

・薬狩りや森野旧薬園のことを聞いて、奈良と薬の深いつながりが理解できた。「漢方のメッカ推進プロジェクト」としてのストーリーにも興味をひかれた。
・配置薬というシステムは、薬局が多く存在する現在では使用者も減っているだろうと思いますが、アピール次第でニーズを掘り起こし、使用者をまた増やすことのできるシステムだと思います。
・佐藤薬品工業さんの男性よりも女性の方が多い部署の話や、女性が活躍し、女性も働き続けやすい組織体制会社や地域との交流を大切にされている話を聞けて良かったです。同時に奈良女卒業生の活躍の場や企業の内側の話も聞けて、今後の参考になる授業でした。

     (3)授業を担当いただいた講師からの意見・感想・メッセージ等

奈良県薬事研究センター 蔦原様から
 奈良県はかつて朝廷がおかれ、疫病に備える意味でも薬用植物の栽培等がとても盛んな地でした。今回のような歴史からも、自分が将来何をしたいのかが見えてくるかもしれません。 学生時代は将来のことを考えるとても大事な時間です。このように授業で様々な業種のことを勉強できる機会は滅多にありません。この授業を通して、製薬業界に限らず、皆さんが将来やりたいことを見つけることができればと思います。
佐藤薬品工業梶@前田様から
 弊社の女性社員のイキイキと仕事してくれている様子は伝わりましたでしょうか?まだまだ女性管理職者の比率が低いと云うことが課題ですので、今後の制度整備の向上を図ってまいりたいと考えております。また、佐藤薬品工業鰍ノ少しでも興味を持ってもらえたならば、是非とも会社見学やインターンシップにご参加頂ければと思います。お気軽にお声がけください。

     (4)授業成果(担当教員前川コメント)

「私は、化学コースなので将来製薬企業で働いてもいいのかな」という感想がありましたが、モノづくりの会社が理系の学生だけを求めているわけではありません。すべての業種に文系・理系に関係なく女性の活躍の場は用意されているように感じています。
      授業風景
         
 
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