紙高26.5cm、全長194.5cm。楮紙。改装巻子本一巻。裏端書き「モリヒサ 世」。奥書「応永卅年八月十二日 世書」。世阿弥自筆。
他の世阿弥自筆能本に比べ推敲の跡が多いが、『五音』上に世阿弥の息子の元雅作とあるので、元雅原作と考えられている。
内容は、源氏に捕らえられた平家の侍盛久は、日頃信仰する清水観音に詣でた後、土屋某により鎌倉へ護送される。処刑前夜、観音経を読誦すると霊夢を蒙る。翌日由比ヶ浜に引き出され処刑されようとする時、刀が折れる。頼朝の前に呼ばれ、霊夢について語り、命を許され、舞を舞って退出する。
『平家物語』長門本などの盛久説話による直面の現在能。
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巻姿 |
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端裏 |
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