とも、 ついておもしろきとおもへる心也。 また、 と
なん ―― ことゝもやおもひけんとなん句を切。 此
詞有心也。 業を尋て、 女の返歌をつかはす也。 野の
あたりかしこへ行狩のことなれは、 居所へ女返歌をや
るなり。 おもしろき女の心也。 融は、 業二つ三つ斗兄也。
みちのくのしのふもちすり誰ゆへに乱れそめにし我ならなくに
此返歌は、 融のおとゝの歌也。 むかしは、 いかによみすて
たる歌なれとも、 面白き歌をは、 児女子も口に誦
しけれ。 されは、 人の口にありし也。 古今にては、 たれ
故にみたれそめしわれにてもあらす。 そなた故に
こそみたれそめぬれと云心なり。 其心を、 今、 女の返事
に用れは、 不相応。 しのふのみたれとをくりたる歌にあ
るをうけて、 そのみたれはたれゆへにかあるらんとは、
しかの二句にてきりて、 われならなくにとは、 我
にては有ましき物をと云心なり。 如此
といふうたの心はへなり。 むかし人は、 かくいちはやきみやひ
をなんしける。
此心は、 融の歌を心を用ひかへたると云心也。 心をかへ
る事、 玉髪太夫監君に、 もし心たかはゝ松浦成鏡
の神にかけてちかはん玉髪そ今返年をへて
○むかし人は、 かくいちはやきみやひをなんしける、
むかしうと、 此段は、 心ときふをほめたる下心にて、 好を