きさらき斗 二月、 余寒の有体也。 きさらきとは、 きぬさらにきるといふにていふ也。 二月余寒 逍遥院 立かへり雲風寒みから衣二月の名もしるき空かな かいつらねて あゆみつらなる也。 伊駒の山 眺望、 無比類山と也。 たゝひとり 業平也。 きのふけふ かくろふは、 かくるゝ也。 詞書に、 雪いと白く 木の末に降りたりとあり。 その雪は、 さなから花の 林のことく也。 きのふけふの雪は、 此花の林を人に 見せしと、 あやにくに惜たると也。 狂雲妬佳月 の心也。 うしとは、 おしの心也。 肖聞には、 時もこそ あれ、 これか逍遥する折節、 かくせはあやにく なる雪のさまかなと見るより、 ねたく思ふて、 かくすといふ心は出たるへしと也。 六十八 昔、 いつみの 爰も、 前の段の続也。 住吉の郡と斗