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Oka Mathematical Institute

Institut Kiyoshi Oka de Mathématiques


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リーマン生誕200年記念講演会
「リーマンが創った数学−生誕200年に」


日時:2026年8月30日(日)9:30-17:00
場所:奈良女子大学ダイダンホール(文学部S棟2階)会場案内
主催:岡数学研究所
プログラム委員:大沢 健夫 (名古屋大学) 小櫃 邦夫 (鹿児島大学)

プログラム


9:30 - 9:50 大沢 健夫 (名古屋大学)
 リーマンと岡潔
10:00 - 10:50 松本 耕二 (愛知工業大学)
 リーマンのゼータ関数−研究の歴史と現状
11:00 - 11:50 中西 敏浩 (島根大学)
 リーマン面−複素平面上に広がる曲面の世界
 --lunch time--
13:30 - 14:20 小櫃 邦夫 (鹿児島大学)
 リーマン面の誕生と深化
14:30 - 15:20 日下部 佑太 (九州大学)
 リーマンと「岡の原理」
 --coffee break--
16:00 - 16:50 勝田 篤 (九州大学)
 リーマンと「上空移行の原理」−リーマン,セルバーグ,ジス,サルナックから,岡へ−

講演概要


大沢 健夫 (名古屋大学):リーマンと岡潔
多変数関数論の分野で独創的な偉業を成し遂げた岡潔は、若いころ直観に優れたリーマンの発想に触発された。岡に限らず、リーマンが創った数学は現代数学の形成に非常に大きな影響を与えた。そこへの糸口となりそうな話をいくつか紹介したい。

松本 耕二 (愛知工業大学):リーマンのゼータ関数−研究の歴史と現状
リーマンのゼータ関数は、素数分布を解析的に捉えた関数としてまずオイラーによって導入され、その複素関数としての考察をリーマンが創始したものである。素数定理の証明にリーマンのゼータ関数の性質が本質的に用いられるなど、整数論の解析的研究の中核に位置する関数であるが、その性質には依然として未解明の部分が多く残されており、特にその零点の分布に関する有名な リーマン予想は、提起以来 150 年以上経った現在でも未解決である。本講演ではこの関数のオイラー、リーマン以来の研究史を繙き、研究の現状もできる限り紹介したい。

中西 敏浩 (島根大学):リーマン面−複素平面上に広がる曲面の世界
複素平面の部分領域で定義された複素微分可能な関数を正則関数という。多項式関数、指数関数、三角関数は正則関数に自然に拡張される。正則関数の逆関数、例えば対数関数を考えるとき、その値の選び方は無限にある。しかし、複素関数の「微分積分」を行うためには、実数の対数関数の「真数条件」のような定義域の制約はかえって不自然である。対数関数の定義域は原点0を除いた複素平面上に広がる無限螺旋面を考えた方が都合がよい。この螺旋面はリーマン面の一例で、リーマン面はその上で複素関数の微分積分、すなわち「複素解析」が展開できるような構造(複素構造とか等角構造と呼ばれる)が設定された舞台である。リーマン面には、その上で複素解析が展開できる構造をもつことで単に曲面と見ただけでは現れない特性が備わる。その一つに複素平面全体で定義された正則関数の値域に含まれない2つの値があればその関数は定数であるというピカールの定理がある。1点を除いた複素平面と2点以上を除いた複素平面とは、異なる計量(ユークリッド幾何と非ユークリッド幾何)に支配されていて本質的に違っていることがこの定理の根底にある。リーマン面の間の写像に関する多くの性質を「計量的-位相的」方法を導入して解明した「被覆面の理論」を27歳の若さで打ちたてたのが第1回フィールズ賞を受賞したフィンランドの数学者アールフォルスである。

小櫃 邦夫 (鹿児島大学):リーマン面の誕生と深化
リーマンは、√z や log z などの多価正則関数の分岐点を考察することにより、解析形成体としてのリーマン面の概念に到達した。それが一次元複素多様体に他ならないことを解説する。またリーマン・ロッホの定理、アーベルの定理、リーマンテータ関数などの重要な業績を紹介する。時間が許せば、近年の開リーマン面の研究の進展についても話したい。

日下部 佑太 (九州大学):リーマンと「岡の原理」
複素解析学は、リーマンによるトポロジー的視点の導入によって大きく進展した。トポロジーはしばしば「柔らかい幾何学」と呼ばれるように柔軟性に満ちた幾何学である一方、複素解析学は非常に強い複素微分可能性を扱う剛性の高い解析学である。本講演では、この一見相容れないように見える二つの分野がどのように結び付いて発展してきたのかを、リーマンの写像定理から「岡の原理」と呼ばれるホモトピー原理に至るまで概観する。

勝田 篤 (九州大学):リーマンと「上空移行の原理」−リーマン,セルバーグ,ジス,サルナックから,岡へ−
リーマンの素数分布の研究は、その約一世紀後にセルバーグにより、リーマン面の素閉測地線の分布という形で幾何学と結び付けられました。さらにジスは2006年の国際数学者会議において、結び目の補空間の数論的研究の可能性を述べ、サルナックはその空間での素閉測地線の分布の研究に新たな方向性を見出しました。講演者はこの研究の更なる発展には、岡の研究の出発点となった「上空移行の原理」の考え方が重要なカギを握ると考えています。講演では、これらの流れを、あまり難しくならず、雰囲気が伝わるようにお話ししたいと思います。

会場案内


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