比売嶋日記

　幕末の政治的混乱の中で、尊攘派の志士を暖かく支援し続けた女流歌人、野村望東尼の日記。作者は、夫の福岡藩士野村新三郎貞貫の影響により勤王派に関心を持つようになり、その死後直接活動に関わったため、慶応元（1865）年、藩の弾圧により姫島（福岡県糸島郡）に流された。この作品は、流罪前の自宅謹慎の頃より始まり、姫島の獄中での日々の想いを多くの歌を織り込み、綴ったもの。海女との温かい交流の記述など、作者の豊かな人柄が偲ばれる。

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本学文学部日本アジア言語文化学講座の学生の協力を得ました。