[平成20年度平成20年度 大学院教育改革支援プログラム] 女性の高度な職業能力を開発する実践的教育
[当プログラム関連専攻]国立大学法人 奈良女子大学 大学院人間文化研究科
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学長および代表者の
挨拶
「大学院教育改革支援プログラム」について
プログラム内容
各専攻の特色
開講科目
キャリア形成のための院生自主企画
研究集会参加助成



各専攻の特色


[博士前期課程]

国際社会文化学専攻


人間行動科学専攻


住環境学専攻


国際社会文化学専攻
 
●現代的ニーズに応える人文社会科学の知の発信のために

 本専攻は、これまで、日本および国際社会の歴史と文化、地域の自然と生活などの諸分野を対象にして、各専門領域の知識を深め学際的に諸問題を探求する能力を養成してきました。この観点から見て、研究組織として、また研究者養成のステップとして、大きな成果を挙げてきたと自負しています。

 しかし、現代社会は、ますます高度に情報化・知識化しています。広く深い知識を的確にマネジメントする能力は、高度な知を探求する専門職としての研究職にだけでなく、それを広く社会に向けて発信するさまざまな高度専門職にも、共通して求められていることだと言えるでしょう。私たちは、知識を扱うさまざまな実践的能力が社会的に要請されている現状を踏まえ、研究で培った高度な知識を基礎に、社会に向けて奈良地域に蓄積された歴史的な文化資産を掘り起こして発信し、また伝統を踏まえた新たな文化的胎動を紹介するなど、奈良地域における新しい文化創造の運動の一翼を担いたいと考えています。

 この課題を実行するために、私たちは、「女性の職業的能力を開発する実践的プログラム」というテーマで大学院教育改革支援プログラムに採択された本学の事業に参加いたしました。この事業のなかで、一方で広く社会に発信・紹介すべき内容を新たな視点で掘り起こし、社会的ニーズに応える制作物や表現作品を作り上げる(実践応用科目群)とともに、他方でその作品を高度な技術で社会に向けて発信する(実戦基礎科目群)能力をもつ女性を養成したいと考えています。

 本学が知的な意欲と能力を兼ね備え、高い企画提案能力をもつ女性を輩出してきたことは、こんにち社会のさまざまな部門で本学卒業生が活躍していることで明らかです。私たちは、この成果を基礎に、さらに実践的能力に磨きをかけた大学院修了生を社会に送り出し、この社会の文化的成熟と発展にいっそう寄与してゆきたいと考えています。


●展開される授業の一例

 このプログラムを具体的に展開するにあたって、各授業は、本専攻の専門的研究の蓄積を活かすとともに、実際的な技法を習得することを念頭に構想されています。たとえばフィールドワークの実践や実験的方法の企画・実施を通して、学生のチャレンジを促すとともに、研究から発信までを具体化する過程を体験させます。この課題を本専攻の各コースが専門を超えた学際的協力を通して遂行することで、学生の総合的な能力をいっそう効果的に養成できると考えています。

 たとえば、古代文化地域学および比較歴史社会学コースは、文化史総合演習およびWeb情報実習という、関連する二科目を開設します。前者においては、中学・高校教科書の文化史に関連する記述を比較対象し、AV資料なども援用しながら、生徒により理解しやすく興味の持てる文化記述のありかたを探求します。後者の授業では、その成果を具体的な教育の現場に反映するための方法の一つとしてインターネットを取り上げ、効果的に発信する方法を開発し、学びます。どのコースの学生も受講でき、最新の規格に即したオリジナルHPを作成・運営するスキルを修得できるでしょう。

 地域の文化や生活に関心をもつ学生のためには、地域文化資源コンテンツ制作実習A・Bを用意します。たとえば、国指定の無形民俗文化財である奈良の若宮おん祭りの調査を行い、取材と記録撮影を実際に行った後、各種の記録データーをコンピューター上で編集して、マルチメディアに対応した映像コンテンツを製作するという一連の過程を体験してもらいます。同様に地域環境調査法では、実際に地域のフィールドワークを行うことで、地域の環境と生活に関する理論的な関心を踏まえた調査の方法を学びます。

 さらに社会情報学コースでは、本プログラムで導入された「実践スキルゼミナール」科目として、「エスノメソドロジー・ワークショップ」や「社会調査」、「質的調査基礎」などにより調査スキルを学習・修得して、現代社会への問題意識を研究や実践の課題として展開する際の実証的基盤を確保する方法を身に付けます。

 これらの科目の展開によって、本専攻の博士前期課程のカリキュラムはいっそう充実すると考えていますが、さらに学生や地域・社会からのフィードバックを随時反映して、今後も拡充する予定です。


 
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人間行動科学専攻
 
●トータルヒューマンケアの構築をめざして

 20世紀、人類は科学技術の飛躍的な進歩を実現し、「豊かさ」を求めて経済活動を急速に拡大させていく一方で、自然との関係においても、人間同士の関係においても、また、個人の内部においても、さまざまなひずみを抱えることになりました。そして、平均寿命が延びていく中、心身ともに健康に過ごすことができる、いわゆる「健康寿命」の重要性が指摘され、「Quality of Life の向上と維持」が個人、そして社会にとって大きな課題となってきています。これからの社会では人々の心身の健康について広い視野から考え、ヒューマンケアの立場から現場で活躍できる人材がますます求められるでしょう。

 本専攻では,これまでに学部における専門的な知識を踏まえ,哲学・思想,教育学,生涯学習,認知・発達・臨床など諸心理学,音楽,体育とスポーツの科学等の研究を通し,人間と人間の諸行動について,より高度な教育と研究を行ってきました。この中で培ってきたものを、これからの社会に提案し、実践的に活かすために、私たちは今回採択された「女性の高度な職業的能力を開発する実践的教育」のプログラムに参加します。このプログラムでは、まず、「心身の健康」「教育」「発達」をキーワードに、本専攻が対象とする"人間"あるいは"ヒト"のライフコースにおける諸問題について総合的に考え、それらを分析するための測定法や、評価するための様々なスキルの理論を身につけます。そしてさらに、社会のいろいろなニーズに合わせてそれらを応用し、実践する能力を養成していきます。

 本専攻のプログラムによって、新しい社会と文化を構想し実現できる創造的で実践的な力を身につけた修了生を社会に送り出すことで、真に豊かで健康な社会の発展に貢献していきたいと考えています。


●授業の展開

 本専攻では、「実践基礎科目群」として、主に教育学、心理学、スポーツ科学の分野で用いられる基本的な技法・スキルをつけるための「実践スキルゼミナール」(生理学実習、発達検査と事例研究など)をはじめとする科目を提供します。今年度は、人間行動科学における実験研究を実施する際の基本的な概念について学ぶとともに、実験システムの構成法、対象の定量化・資料の数量化といった実験法の基礎的な手法を取得することを目的とする「実践スキルゼミナール」を開設しています。来年度以降は、教育学、心理学、スポーツ科学分野による複数の実践基礎科目を開設していきます。これらの科目を受講することで、ヒト、人間、人間同士の関わり、人間と社会の関わりについての多角的な分析法、評価法についてのスキルを修得することができます。

 また来年度以降は、「実践応用科目群」として、実践基礎で培ったスキルを現場で応用するために、より高度な「実習」やフィールドワークを取り入れた「演習」を開設します。これらの科目を受講することで、自主的企画推進(マネジメント)能力およびコミュニケーション能力が向上します。

 新設科目の展開により、従来の本専攻における博士前期課程のカリキュラムを充実させることができ、今後さらに現場での実践に向けて有用な科目を加えていくことで一層発展させる予定です。


 
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住環境学専攻
 
●現代的ニーズに対応した住環境教育を進めます

 本専攻では,住宅・生活共同施設・道路・公園緑地などから構成される住環境の空間特性・サービス特性を人間生活に関連づけて研究・教育します。また,その構築・運営・維持管理に関わる構築方法・財政・法的規制などとの関連事項についても研究・教育します。

 物理科学的方法により解析する住居構造防災論,自然科学的方法と心理学的方法を複合させる快適環境計画論,視環境論,住環境劣化論,歴史学的方法と比較文化学的方法を駆使する住環境史論,社会科学的方法を援用する住居論,住居集合論,地域空間政策論,多様な方法を複合的に活用する住環境デザイン論,景観デザイン論などの研究・教育を通じて,住環境の構築と管理運営に関する高度で幅の広い知識と技量を有する専門職の育成を目指します。

 本専攻の修了生の社会への進路としては,建築学・住環境学関連の研究教育分野に加えて,一級および二級建築士,住宅産業および建築企業の企画・設計スタッフ,インテリアプランナー,建築設計・都市計画コンサルタント,建築・都市計画行政職員,家電設備関連企業等の研究開発員などでの活躍が期待されます。


●求める学生像

 住居の内外での生活や住環境のあり方を考えたり,さまざまな生活を容れる居住空間や住環境を計画・デザインすることに強い関心と意欲のある学生を求めています。具体的には,住生活,まち,地域などのあり方,それらをコントロールする枠組み・制度,住環境の形成史,住まいの設備・材料・構造など,住環境および建物に関わる多面的な研究領域を生活者の視点から考察し,各領域で系統的に専門性を深め,より高度な研究能力と知識・技能を身につけることをめざす学生,また,それぞれの専門領域において課題・問題を見出し解決する能力,および社会で実践的に役立つ高度な専門的知識を備えることをめざす学生を歓迎します。
 
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