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【新著紹介】『平安時代の共感と過去認識―仮名文学を支えた思想―』協力研究員 長田明日華

 このたび、『平安時代の共感と過去認識―仮名文学を支えた思想―』(塙書房、2026年2月)を刊行いたしました。
 本書は、仮名文字・仮名文が成立し展開する9〜11世紀の文学作品を主な考察の対象として、なぜ新たに仮名文学が書かれはじめたのか、その根底にはどのような思想があったのかを検討しています。その際、初期の仮名文学には、ことばを介して人と人との間に成り立つ共感のありようが表現されていること、その共感は過去に対する認識によって支えられていることに注目しています。こうした視点から、新たに仮名文字・仮名文を必要とした、当時の人々のことばに対する思想の変化がもつ歴史的意義について考察しています。 歴史学における文学史研究の方法や、仮名文学の成立を支えた当時の人々のことばに対する思想をめぐる議論の一助となれば幸いです。(文責:長田明日華)

  
目次
序章 歴史学における文学史研究
     第一節 石母田正の文学史論
     第二節 歴史と民族
     第三節 歴史学における文学史の課題
第一章 うつほ物語の〈声〉
     第一節 音楽がもたらす共感
     第二節 ことばがもたらす共感
     第三節 共感をめぐる叙述の位置
第二章 仮名日記の成立
     第一節 『土佐日記』の「心」
     第二節 『古今和歌集』の「心」
     第三節 「やまと歌」の共感
第三章 九世紀の詩文と共感
     第一節 勅撰詩集の編纂
     第二節 詩と「志」
     第三節 君臣の共感の変化

第四章 延喜・天暦聖代観と「やまと」
     第一節 延喜・天暦聖代観の形成
     第二節 「やまと」の変容
第五章 寺社詣と文学
     第一節 寺社に詣でる人々
     第二節 寺社詣を書く意味
     第三節 熊野御幸と和歌
終章 仮名文学誕生の歴史的意義
     第一節 詩文と和歌の共感
     第二節 共感と過去認識
     第三節 仮名文学の誕生
     おわりに―平安時代史研究の可能性―
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