本学と株式会社今西清兵衛商店は、新規赤色色素生成酵母の開発および純米酒への商品化に成功いたしました。
これは本学(実施担当 研究院自然科学系准教授(生物科学領域)岩口伸一)と、今西清兵衛商店による共同研究協定に基づく研究開発の成果です。
本学と今西清兵衛商店は4月23日(火)、本学にて研究成果のプレス発表を行いました。
2009年5月1日の奈良女子大学創立百周年記念日より発売開始された「清酒:奈良の八重桜」は、
古歌にも詠まれたナラノヤエザクラ(奈良公園に植樹されたもの)から清酒酵母を分離し、醸造されたものです。
桜の花からの清酒酵母ということで消費者の方々は桜色のイメージを連想されると予想し、
本学と今西清兵衛商店では酵母分離成功直後から同酵母を種とする赤色色素生成酵母の開発を継続してまいりました。
赤色色素生成酵母の育種については特公昭59−23788号に記載されているほどに周知の技術でありますが、
もろみ中での増殖が良く色調の鮮やかな赤色色素を生産することのできる赤色色素生成酵母を得ることは容易なことではありません。
桜の花から分離された「ナラノヤエザクラ酵母」を胞子形成培地で増殖させ、一倍体菌株を取得し、突然変異誘発処理に付す作業を繰り返し、
2012年晩夏、本学での試験醸造にて色調の鮮やかな赤色色素を生産することができる酵母の開発を確認することができました。
2013年3月上旬よりこのナラノヤエザクラ赤色色素生成酵母で清酒を醸し、4月11日に上槽、翌12日に瓶詰作業を行いました。
今春の仕込み分900本の新酒「奈良の八重桜〜クリスタルチェリー〜」は、5月1日(水)より今西清兵衛商店にて550本、
5月29日から7日間の会期で新宿高島屋にて開催されます「大学は美味しい」イベントにて350本が販売されます。
なお、研究内容については、4月29日から5月5日の間、記念館春の一般公開
特別展示<奈良女子大学における最近の研究> においても紹介いたします。
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プレス発表の様子 (説明者:岩口伸一) |
新酒 奈良の八重桜〜クリスタルチェリー〜 |