科学分野で世界的な成果を挙げた女性研究者をたたえる「2014年ロレアル−ユネスコ女性科学賞(L'Oreal-Unesco For Women in Science 2014)」の授賞式が3月19日にパリで行われ、著名な免疫生物学者で本学理学部生物学科卒業生の稲葉 カヨ 氏(京都大学副学長、同大大学院生命科学研究科教授)が賞を受けました。
ロレアル−ユネスコ女性科学賞は科学の分野で目覚ましい業績を挙げた世界の優れた女性研究者を表彰するものであり、稲葉 カヨ
氏は免疫システムにおける樹状細胞の重要な役割を解明するとともに、細胞療法に大きな進展をもたらし新たな抗がん治療の確立へ向けて大きく前進した功績が評価され、昨年の黒田 玲子 氏に続き、日本人として5人目の受賞となりました。
◆稲葉 カヨ 氏から受賞の言葉をいただきました
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第16回ロレアル-ユネスコ女性科学賞を受賞できたことは非常に大きな喜びです。ノミネートしていただいたことは知っていましたが、私が受賞すること
になるとは考えてもいなかったので、知らせを受けた時は少なからず驚きました。しかし、同時に人の繋がりの重要性も深く身に染みました。
パリのソルボンヌ大学で行われた受賞式には、海外の共同研究者に加えて2011年のノーベル生理学・医学賞の受賞者であった故Ralph Steinman博士の
奥様とお嬢様が、それぞれの国から参加して下さり、楽しい時を過ごすことができました。
現在は、京都大学において女性研究者支援と男女共同参画に携わっています。この受賞が、さらに女性の活躍促進のために働くというわたくし自身の大
きな動機づけになると考えています。また、他の女性研究者にとっても目標となりうることを期待しています。