KEKは、2010年から工事を開始し、本年2月初めから試験運転を開始したSuperKEKB電子・陽電子加速器において、2月10日に陽電子ビーム、2月 26 日に電子ビームが周長3kmのリング加速器を周回したことが確認されたことを3月2日に発表しました。
この電子・陽電子加速器の実験には本学の自然科学系・物理学領域の林井教授・宮林准教授ら高エネルギー物理学研究室のメンバーも主要な共同研究者として携わっており、進行中の試験運転では、同研究室の大学院生が製作した2個のシンチレーションカウンターもビーム衝突点付近に設置されてビーム通過の信号を記録しています。
SuperKEKB加速器を用いたBelle II実験は、B中間子の崩壊過程におけるCP非保存(粒子・反粒子の物理法則の違い)を測定したKEKB加速器を用いたBelle実験の後継プロジェクトです。これまでの40倍のビーム輝度で大量データを蓄積することによりCP非保存の精密測定や稀崩壊過程の探索を行い、新しい物理法則の兆候を探すことを目的としており、その目標に向かって、第一歩を踏み出したと言えます。